『ゴールデンカムイ』における狂気の最重要キャラ!鶴見中尉を怪演する玉木宏から目が離せない

コラム

『ゴールデンカムイ』における狂気の最重要キャラ!鶴見中尉を怪演する玉木宏から目が離せない

アイヌの莫大な埋蔵金を巡る冒険サバイバルバトルを描いた大人気コミック「ゴールデンカムイ」の実写映画『ゴールデンカムイ』がついに公開!北海道の大自然、野生動物との格闘、アイヌ文化、グルメなど様々な見どころが挙げられる本作だが、その大きな魅力の一つは、“脇キャラ不在”と言われるほど、個性豊かでバイタリティのあるキャラクターたちが縦横無尽に活躍する点である。

原作コミック、テレビアニメの大ヒットを経てついに実写化された『ゴールデンカムイ』
原作コミック、テレビアニメの大ヒットを経てついに実写化された『ゴールデンカムイ』[c]野田サトル/集英社 [c]2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

壮大な物語の導入部として、主人公の杉元佐一(山崎賢人)とアイヌの少女アシリパ(山田杏奈)の2人の物語を軸にした本作でも、クセの強いキャラクターたちが多数登場する。そのなかでも特に、観る者に強烈なインパクトを残す人物といえるのが、玉木宏演じる鶴見中尉だろう。本稿では、杉元の前に立ちはだかる鶴見中尉にスポットを当て、そのキャラクター像と、玉木の怪演ぶりに迫っていきたい。

アイヌの金塊を巡る壮絶なサバイバルが展開!

野田サトルによる原作コミックは、2014年から「週刊ヤングジャンプ」にて連載され、2022年に完結。マンガ大賞2016や第22回手塚治虫文化賞マンガ大賞など数々の賞を受賞し、単行本全31巻、シリーズ累計発行部数2700万部を超える大ヒット作だ。2018年からはテレビアニメもスタートし、幅広い層のファンを獲得し続けている。

ハードルが高いと思われた実写映画化に挑んだのは、もともと原作の大ファンだったという「HiGH&LOW」シリーズの久保茂昭監督。キャストには山崎賢人が主演を務めるほか、山田杏奈、矢本悠馬、玉木宏、舘ひろし、眞栄田郷敦など注目の若手俳優からベテランまで、各キャラクターのスピリットを体現するような豪華キャスト陣が集結した。

“不死身の杉元”の異名を持つ元陸軍兵士、杉元佐一
“不死身の杉元”の異名を持つ元陸軍兵士、杉元佐一[c]野田サトル/集英社 [c]2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

舞台は日露戦争直後、明治末期の北海道。アイヌ民族から莫大な金塊を奪った男が、捕まる直前にとある場所に隠した。その在り処を示すのは、男が24人の囚人たちの身体に彫った刺青の暗号のみ。“不死身”の異名を持つ元陸軍兵士の杉元佐一と、金塊を奪った者に父を殺されたと語るアイヌのアシリパは、互いの目的のために手を組み、脱獄した刺青囚人たちを探す旅に出る。しかし、金塊をねらうのは杉元たちだけではなかった―。

アイヌの金塊を奪った男に父を殺されたと語る少女、アシリパ
アイヌの金塊を奪った男に父を殺されたと語る少女、アシリパ[c]野田サトル/集英社 [c]2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

「ゴールデンカムイ」の最重要人物、鶴見中尉とは?

埋蔵金を追う一派の一人であり、「ゴールデンカムイ」の物語を語るうえで欠かせない重要人物が、陸軍最強と謳われた大日本帝国陸軍第七師団に所属する鶴見篤四郎中尉である。日露戦争での勝利に大きく貢献しながらも、多大な死傷者を出し、戦争後は軍内で冷遇されるようになった第七師団。鶴見中尉は報われなかった師団員のため、軍事クーデターによる独立国家樹立を目論んでおり、その軍資金にすべく、有能な部下を率いて金塊探しに奔走しているという設定だ。

陸軍最強といわれた第七師団の所属で、アイヌの金塊を手にして北海道に独立国家を建てようとしている鶴見篤四郎中尉
陸軍最強といわれた第七師団の所属で、アイヌの金塊を手にして北海道に独立国家を建てようとしている鶴見篤四郎中尉[c]野田サトル/集英社 [c]2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

ちなみに北海道出身である原作者、野田の曽祖父(名前は杉“本”佐一!)は、かつて第七師団に所属しており、野田はそのことに誇りを感じているという。主人公はその名前を借りただけで、曽祖父とはまったくの別人なのだが、鶴見中尉のキャラクターには、実は長谷川篤四郎というモデルになった人物がいることを公式ファンブックのなかで明かしている。一見、いわゆる悪役に思える鶴見中尉だが、作者にとって非常に思い入れの深いキャラクターなのだ。


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