貴重な資料も大放出!佐藤嗣麻子監督が語る、『陰陽師0』と現代社会の関係性「SNSは“呪”の塊」
「『陰陽師1』とは言わず『陰陽師10』くらいまで続くシリーズにしたい」
本作の制作にあたり、「制作意図に関するメモ」を2020年に作成した佐藤監督。メモには古代日本で疫病が流行ると、陰陽師たちによる「疫病調伏」が行われてきたこと、そして本作が現代社会を反映する内容であることが記されている。「脚本を執筆していた2016年ごろに、インターネット上で流れたトランプ前大統領のフェイクニュースをみんなすごく信じたんですよね。フェイクニュースは意図的に発せられた“呪”であり、それを信じることは、”呪”にかかってしまったという状態。このことがすごく興味深かったですね。これはまさに陰陽師の時代ではないかと思ったのが、いまこのタイミングで本作を作ろうとしたきっかけです」。
“呪”というのは認知の話であり、心の話だと語る佐藤監督は、「SNSは“呪”の塊」であると説明する。「SNSは各自が自分の思い込みをずっと語っているすごい世界だと思います。そのなかにも陰陽師的な人たちがいますが、その人たちも、“呪”にかかっていて。これがいまっぽいなと思ったことが、本作のテーマ作りの要素となっています」。
タイトルの通り、晴明が陰陽師になる前の学生時代を描いた『陰陽師0』。最後に本作の続編や、「陰陽師1」の構想があるか尋ねると、佐藤監督の壮大な計画を教えてくれた。「もちろん続編や『陰陽師1』の構想があります。それこそ獏さんの『陰陽師』は続いていますし、私も晴明と博雅の物語をまだ描きたいので、『陰陽師1』とは言わず『陰陽師10』くらいまで続くシリーズにしたいですね(笑)」。
取材・文/編集部
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記
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