『犯罪都市 NO WAY OUT』マ・ドンソク、青木崇高を直撃!「ムネ」「兄さん」と呼び合う強い絆
「リキの初登場シーンを見て、作品の成功を確信しました」(マ・ドンソク)
またマ・ドンソクは、青木の演技についても、初登場シーンを見た瞬間、作品の成功を確信し「よし、これでもう終わった!」と大満足したそう。「彼の表情をカメラに収めることができただけで充分。もうほかになにもしなくていい、と思ったんです」と絶賛し、しきりに恐縮する青木に「本当にすばらしかった」と日本語で労をねぎらった。
一方、青木はかねてからマ・ドンソクのファンだったそうだが、「今回オファーをいただいてからは、ファンという意識ではダメだ。共に1つの作品を作る仲間なんだ、と気を引き締めました」と語り、「初めて韓国映画に参加しましたが、兄さん(マ・ドンソク)を中心に良いチームが出来上がっていて、言葉や文化が違っても、映画を作る同志、ファミリーとして温かく迎え入れてくださいました。おかげで、リラックスして役に集中することができたし、アクション1つ取っても、このように信頼関係がなければ思いっきり戦えませんでした」と、良い環境で撮影に臨めたと振り返った。
今回のアクションは、ボクシングをベースにして素手で闘うマ・ソクトに対し、リキは日本刀で闘う。青木は、『るろうに剣心』(12)の殺陣のスタッフに自らオファーして徹底的に準備。本来の斬りつけるスタイルではない新たな日本刀でのアクションを完成させ、その様子を撮影前にマ・ドンソクに送ってフィードバックをもらっていたそうだ。
「役者だけでなく、プロデューサーとしても活躍しているマ・ドンソクさんの一面を知り、感動しました」(青木)
2人の初対面は、マ・ドンソクのオフィスで果たされた。「作品についてや、今後の展望など、様々な話を聞いて、役者として世界の第一線で活躍しながらプロデューサーとしても活躍している一面を知り、衝撃的で感動しました」と青木が言えば、マ・ドンソクも「私は、良い人々が集まれば必ず良いコンテンツができる、という確固たる哲学を持っているんですが、実際に会ったムネ(青木)は人柄もすばらしく、良いコミュニケーションが取れると思いました」と青木の人間性を絶賛。
撮影中はもちろん、共に食事をしたり、宣伝活動をするなかで、青木の印象は初対面からどんどん良くなり「いまでは本当に大切な弟になりました」と言い、「グローバルエージェントにも紹介しましたし、今後、私が製作する作品で合いそうなものがあれば提案もしていきたい」と、かなりの惚れ込みよう。インタビュー中、マ・ドンソクは青木を「ムネ」と、青木はマ・ドンソクを「兄さん」と呼び合うほど、深い絆が生まれたようだ。
「韓国のCMや街中で、“マブリー”のかわいい姿を何度も見ました」(青木)
青木に、マ・ドンソクが“マブリー(マ+ラブリーの意味) ”との愛称で大衆から愛されていることについて尋ねてみたところ、「もちろん知っています。韓国のCMや街中で兄さんのカワイイ姿を何度も見ました。男らしい強さとユーモラスな面の絶妙なバランスが魅力的で、そんなところが世界中で愛されている理由なんだと実感しました」と、納得していた。
それを聞きながら、指ハートをしたり、カワイイポーズをいくつも見せてくれたマ・ドンソク。ほかにも、インタビューが始まる前に、レコーダーに顔を近づけて「よろしくおねがいしまーす」と日本語で囁いたり、エアコンの風が強くて「(寒くて)口が曲がるかと思いました(笑)」と、ひょっとこのように顔を曲げて変顔をしたり、と“マブリー”全開で魅力爆発。
そんな彼の二面性が「犯罪都市」でもふんだんに表れていて、ハードさとコミカルさがこの作品の魅力だ。シリーズ2作目の『犯罪都市 THE ROUNDUP』ではコロナ禍で劇場に足を運ぶ観客が軒並み減少するなか、韓国での動員数が1000万人を超え、今回の『犯罪都市 NO WAY OUT』でも公開から約1ケ月で1000万人超の快挙を成し遂げたのも納得。映画館の大スクリーンで、前作を上回るおもしろさと爽快さのパンチをぜひ浴びてほしい。
取材・文/鳥居美保