戦国の世のサバイバルゲームが、ついに開幕!真田広之「SHOGUN 将軍」初回&第2話をネタバレありでレビュー

コラム

戦国の世のサバイバルゲームが、ついに開幕!真田広之「SHOGUN 将軍」初回&第2話をネタバレありでレビュー

互いの思惑が交錯…曲者たちの駆け引きに痺れる

斬首や釜ゆでの刑などのバイオレントな描写もあるにはあるが、それもまた不安定な世相を象徴的に物語っているようだ。ともかく、ブラックソーンと虎永が面会するラストを観ると、すぐに第2話が観たくなる。というわけで、引き続き、第2話について語っていこう。

運命的な出会いを果たす、鞠子と按針
運命的な出会いを果たす、鞠子と按針[c] 2024 Disney and its related entities

大坂城に連れて来られた按針こと、ブラックソーンは虎永と対面。これは言うまでもなく運命の出会いとなるのだが、按針はもう1人の人物と運命的に出会う。それが、のちに彼らの通訳を務めることになる鞠子(アンナ・サワイ)だ。カトリックを信仰としている鞠子は、この段階では按針をかなり警戒している様子。実際、カトリックの宣教師たちにとって、布教の邪魔になるこの異端者は目の上のたんこぶでしかない。

虎永が按針を呼び寄せたことには理由があった。五大老のうち2人はキリシタン大名。つまりカトリック教徒だ。そこにプロテスタントの按針を放り込むことで、石堂と彼らを分断させるという思惑だったのだ。具体的な策はこの段階ではまだ明かされないが、先々の見どころとなるのは間違いない。

さて、按針はどうやら、虎永に共鳴したようだ。威張りちらしている侍に小突かれ続けた彼は、日本人に対して反感を抱いている。が、思慮深く、異人であろうと高飛車に出ず、知識欲が旺盛でなんでも教わろうとする虎永のまっすぐな姿勢に感銘を受ける。按針が日本人に対して自発的に頭を下げるのは、虎永が2度目。1度目は第1話内、命がけで断崖を下り、異人を助けた藪重に対して。多くの日本人の目には蛮人と映る按針だが、サムライの精神に共鳴する資質を確かに持っているのだ。


ポルトガル人であり、カトリックの宣教師であるマルティン・アルヴィト(ダミアン・トーマス)
ポルトガル人であり、カトリックの宣教師であるマルティン・アルヴィト(ダミアン・トーマス)[c] 2024 Disney and its related entities

ともかく、この第2話は、誰かが誰かと会う度に緊張が走る。虎永と按針の面会しかり、按針とポルトガル人とのギスギスしたやりとりや、そこに乗り込んでくる石堂との対面もしかり。虎永を陥れようとする石堂ら大老たちの評決の場も、石堂と藪重の対話もまたしかりだ。そればかりか、宣教師と商人というポルトガル人の間にも、虎永の側室たちの間にも軽い軋轢があるようだ。日本人も異人も男も女も、ひとつ判断を間違えれば、ひとつ言葉を間違えれば、命を落としかねない、そんな戦国の世を生きているのだ。按針は、キリシタンである五大老たちの企てにより、牢獄に放り込まれる。そこで出会ったポルトガル人は言う「この国では死刑が唯一の処罰」。ともかく、各人の思惑が複雑に絡み合い、せめぎ合う様子がはっきりと見えてきた。

第2話のクライマックスは、虎永の寝殿に女中を装って侵入した刺客との攻防。虎永は助太刀に入った按針と共闘する。それは、虎永と按針の今後の新たな関係性を示しているようだ。ますますこの先が楽しみになってくる。

ハリウッドが本気で挑む、戦国スペクタクルを見逃すな!「SHOGUN 将軍」特集【PR】
作品情報へ