岡田准一、福山雅治を翻弄!?役所広司の怪演に背筋がゾクッ
日本映画界を代表するベテラン俳優として確固たる地位を築く役所広司。そんな彼の出演作が8月下旬から2作品続けて公開される。両作品ともに役所が演じるのは主人公と対峙し、翻弄するというクセの強いキャラクター。その迫力の演技は身震いするほど圧巻だ。
まずは、8月26日(土)に公開される『関ヶ原』。司馬遼太郎の同名ベストセラー小説を岡田准一を主演に迎えて映画化した時代劇だ。本作で役所が演じたのは、これまで名だたる俳優が挑んできた天下人・徳川家康。豊臣秀吉の死後、天下取りの野望を抱く家康と豊臣家への忠義から立ち上がる石田三成(岡田)との対立や、関ヶ原の戦いへと向かう過程、そしてわずか6時間で勝敗が決したと言われる合戦の様子を活写していく。
家康は様々な手段を使って豊臣政権の内部分裂を引き起こし、自軍に各地の武将を引き入れながら、三成を追い詰める。岡田演じる三成が正義を重んじる不器用なキャラクターであるのに対して、役所演じる家康は天下取りのためには手段を選ばない権力欲に燃える男。策略を巡らせ三成を翻弄する家康の老獪さを体現したような演技は、ベテラン俳優ならではの説得力を感じさせる。
続いて公開されるのは、『三度目の殺人』(9月9日公開)。本作で役所が演じるのは殺人の前科がある容疑者の男・三隅。彼は解雇された工場の社長を殺害し、遺体に火を放った容疑で逮捕されていた。主演の福山雅治演じる弁護士の重盛は、三隅の死刑を回避し無期懲役を勝ち取るために事件の調査を開始。しかし調査が進むにつれ、三隅と被害者の娘・咲江(広瀬すず)との意外な関係が明らかに。さらに三隅の証言も二転三転し、重盛は次第に事件の闇に飲み込まれていく…。
注目なのが三隅と重盛が拘置所の面会室で対峙するシーン。三隅の話に重盛が翻弄され、次第に“弁護士と依頼人”という関係性が変化。その様子を役所が濃密な演技で魅せていく。何を考えているのかわからずコロコロと表情を変える姿は、ミステリアスで不気味。思わずゾクッとしてしまう演技に、役所の実力を改めて思い知るはずだ。
まったくジャンルの異なる映画に出演し、どちらでも主演を喰うほどの怪演を見せる役所広司。10月からは池井戸潤原作のドラマ「陸王」で主演を務めるなど、活躍はとどまることを知らない。彼の名演と圧倒的な存在感をしっかり堪能してほしい。【トライワークス】