ゆりやんレトリィバァ「冒頭から『なにをしてんねん!』ってビックリ」鶴田法男監督&野水伊織と『オーメン:ザ・ファースト』の魅力を語りつくす! - 3ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
ゆりやんレトリィバァ「冒頭から『なにをしてんねん!』ってビックリ」鶴田法男監督&野水伊織と『オーメン:ザ・ファースト』の魅力を語りつくす!

インタビュー

ゆりやんレトリィバァ「冒頭から『なにをしてんねん!』ってビックリ」鶴田法男監督&野水伊織と『オーメン:ザ・ファースト』の魅力を語りつくす!

「私にとってこの作品は“わからなホラー”でもありました」(ゆりやん)

西川「本作の怖さのポイントは?」

野水「今回、ダミアンを阻もうとする者たちがどんどん死んでいくという惨たらしさはありつつも、主人公が巻き込まれていくことに共感もしてしまうというのがすごくあって。もしかしたらそれも、スティーブンソン監督が女性であることや、いろいろ話し合いを重ねて取り組んだ制作背景も影響しているのかなって。私が女性目線で観ているからかもしれないけれど、一体感のようなものがありました。いままでの『オーメン』って、ダミアンが中心だったけれど、ダミアンが出てこないのに自分がまるで中心にいるような怖さがすごくあって。呪われてしまうんじゃないかという体験型の要素があって怖かったです」

西川「スティーブンソン監督はインタビューなどでこの映画のことを“ボディホラー”と言っています。出産シーンなど女性の身体を使ってなにかをする。女性の身体が変化していくことに対して、ボディホラーと解釈して作っていたらしいです。そういうところもこれまでのホラー映画と違うポイントになっているのかなと」

ホラー愛を叫び続ける声優の野水伊織
ホラー愛を叫び続ける声優の野水伊織撮影/黒羽政士

野水「私、めちゃめちゃボディホラー好きなんです。子どもを身籠ることや自分が子どもを見守る怖さみたいなものって、どうしても女性のほうが共感するものなのかなって。いままでは養子としてもらわれてきたダミアンのお話でしたが、今回は誕生に関わっている。誰が産むの?って話になるじゃないですか。そこの怖さみたいなものがすごく描かれていた感じがします」

西川「ゆりやんさんの印象に残っているキャラクターは?」

ゆりやん「出てくる人全員怖いのですが、シルヴァ修道院長はすごく怖かったです。結局なにを考えているのかずっとわからなくて。私にとってこの作品は“わからなホラー”でもありました。わからなホラーですよね?」

鶴田「は…はい!(笑)。ソニア・ブラガがこういう役もやるのねというのが僕の感想でした。あともう一人、気になったのはビル・ナイ。結構な重鎮だし、先日黒澤明監督『生きる』のリメイク『生きる LIVING』でアカデミー主演男優賞にノミネートされていたはず。そんな素晴らしい作品に出た直後にこの『オーメン:ザ・ファースト』って(笑)」

『ラブ・アクチュアリー』などで知られる名優、ビル・ナイも出演!
『ラブ・アクチュアリー』などで知られる名優、ビル・ナイも出演![c] 2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

西川「『ラブ・アクチュアリー』とか『アバウト・タイム 愛おしい時間について』といった心温まるいい映画に出ている方で、理想のお父さんのようなイメージもある方がこういう役をやるんだというハズしのキャスティングというのも見どころですよね」


鶴田「ただ、考えてみると76年版『オーメン』もグレゴリー・ペック主演。当時はすごく画期的なことだったはずだけど、いまではもう『オーメン』の主演として定着しているからなんとも思わなくなっていますよね。当時のグレゴリー・ペックは、いまの日本で例えるなら役所広司さんとか渡辺謙さんクラスの大スター。そういう方がホラー映画に主演するというのは当時ではありえないものでした。ホラー映画はいわゆるレベルの低いジャンルとされていたので。68年に『ローズマリーの赤ちゃん』や73年に『エクソシスト』が大ヒットして流れが変わり、『オーメン』が作られることになりました。そこで『アラバマ物語』のグレゴリー・ペックなわけですよ!そういう意味では、ビル・ナイが出ていてもおかしくはないんですよね」

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