歌にモノマネに司会に監督業まで!イタリアの国民的人気女優パオラ・コルテッレージってどんな人?
『あゝ無慈悲』低賃金、晩婚化、少子化…日本人も共感できるテーマ
『あゝ無慈悲』(15)は、低賃金や晩婚化、少子化を題材にしたシリアス寄りの作品だ。田舎町の工場で働くルチャーナは、妊娠がわかり喜ぶが、それをきっかけに職を失う。気のいい夫は無職で、ビジネスでも失敗続き。ルチャーナはそんな夫のある行動によって精神的に追い込まれ、職を取り戻そうと実力行使に出る。「暮らしが安定していたカップルが、妊娠を機に悪循環に陥っていくお話です。不動産事情もあり、経済的に安定して子育てをするのが難しいイタリアの現状を描いています」と解説する。本作の舞台はローマを州都とするラツィオ州の田舎町。コルテッレージが演じる主人公は、妊娠をきっかけに職を失ってしまう。「周囲の人々は『子どものことを考えないと』とか『子どもは宝だから』と言いながら、彼女から仕事を奪っていく。妊娠だけでなく、親の介護など家計を支える女性が仕事を離れる機会はたくさんあります。日本人にとっても非常にわかりやすい作品だと思います」。
『マイ・ライフ:インポッシブル』トム・クルーズばりに体を張ったパオラがカスハラ問題に挑む
一方、『マイ・ライフ:インポッシブル』(19)はアクションコメディ。女手一つで娘を育てるジョバンナは、表向きは財務省勤務だが、実は人知れず国家を守るスパイ。爆弾テロ犯を追う最中、突然学生時代の友人から同窓会に招かれ、一般人との接触を避けるという掟を破り、旧友たちと再会する。中年になり、どこか人生が上手く行っていない彼らと話していると、それぞれが周囲の“とんでも人間”に困っている様子。ジョバンナはこっそり復讐を代行しようとするが…。「パオラはトム・クルーズばりに、モロッコで屋根の上を走ったり体を張って頑張ってます(笑)」。ただし社会性も盛り込まれている。「シングルマザーの子育てもので、モロッコからもマッハで幼稚園にお迎えに行く(笑)。シングルマザーとスパイの組み合わせはなかなかありません」。世間の“困った人たち“にもスポットを当てている。「行き過ぎた消費主義のなかで生まれたカスハラ問題にも触れています。モラルの低下が人を生きづらくさせている、そんな部分も見てほしいですね」。変装して“ミッション“に挑む姿も見どころだ。「CAになったりアラビア語をしゃべったり、得意のモノマネが活きていますね」。
ラジオDJ、翻訳家。大阪のFM802での様々な番組を経て、現在は姉妹局FM COCOLOのモーニングショー「CIAO 765」を担当。イタリアの知られざる文化を日本に紹介する株式会社京都ドーナッツクラブの代表も務め、映画の字幕制作、コラム執筆や書籍の翻訳も手掛ける。
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特集:ゴー!ゴー!パオラ!~イタリア娯楽映画の進行形~
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