シュー・グァンハン&道枝駿佑が交わした台湾バイク旅の約束「僕もアミのように後ろに乗ってみたい」
「36歳はグァンハンさんのように色気のある男性になっていたいなと思います」(道枝)
――劇中にはジミーとアミが岩井俊二監督の『Love Letter』(95)を2人で観に行くシーンがあり、幸次とジミーも雪の上に寝ころびながら『Love Letter』を観に行くデートのトークを繰り広げていましたが、お2人が青春時代に観た映画で、特に思い出に残っている作品はありますか?
グァンハン「僕は香港映画と日本映画を観て育ったので、思い出の映画はたくさんあります。それこそ、岩井監督の『Love Letter』だけではなく、『リリイ・シュシュのすべて』も観ましたよ。それから、三浦春馬さんと新垣結衣さんが出演されている『恋空』も、映画館に観に行った記憶があります」
道枝「青春時代に観た思い出の映画か…」
グァンハン「道枝さんは、いままさに青春真っ只なかじゃないですか!昨日観た映画だって、その質問の答えに当てはまりますよ」
道枝「ハハハ(笑)。結構前の作品にはなるのですが、『君の膵臓をたべたい』ですね。学生時代よく父親と一緒に出かけていて、この映画も父に誘われて映画館まで観に行ったのですが、5回泣きました。それまでは『ワイルド・スピード』シリーズのようなアクション作品を観ることが多かったのですが、この映画を観て以来、感動系の泣ける映画ももっと観てみたいと思うようになりましたね」
――劇中で、お2人が共演したシーンでは、道枝さんが18歳の幸次、グァンハンは36歳のジミーを演じられていましたが、ご自身の18歳のころの思い出と、実際に36歳になる時は、どんな人になっていたいかも伺いたいです。
グァンハン「18歳のころの僕ですか?スポーツに明け暮れている汗くさい若者でした(笑)。まともなことはなにもせずフラフラしているようなみっともない男の子だった気がします。漫画もよく読んでいましたね。36歳の自分までは、あと2年ですからね。きっと1年1年、年を重ねて、いまよりも大人になっているんじゃないかと…。36歳になっていまの自分の言葉を振り返ったら、『お前、34でそんな幼稚なことを言ってたのか!』と偉そうに言うと思います。道枝さんの18歳のころとなると、まだ1か月前くらいですよね…(笑)?」
道枝「いやいや(笑)。さすがにそこまで最近じゃないです(笑)。18歳のころは『なにわ男子』のデビュー前でしたね。ちょうどコロナ禍というのもあって、ライブもできない状況だったので、探り探りの時期だったと思います。ちょうどそのころ、シェイクスピアの『Romeo and Juliet -ロミオとジュリエット-』に出演させていただいて、ひたすらがむしゃらに取り組んで、とにかくカロリーを使ったので大変でしたが、あの経験はとても大きかったなと思います。僕が36歳になるのは、あと15年後か…。いまはまったく想像もつかないですが、グァンハンさんのように色気のある男性になっていたいなと思います!」
グァンハン「えっ!?道枝さん、僕のことをなにか誤解してますよ(笑)」
道枝「いや、本当です!」
グァンハン「ありがとうございます(笑)」
「旅先で出会った人たちは、時に自分の考え方や人生そのものを変えてくれるかもしれません」(グァンハン)
――本作のテーマにちなんで、お2人の旅の思い出や、理想の旅についても伺えますか?
グァンハン「実はちょうどこの前、仕事の合間に1か月くらいヨーロッパ中をあちこち旅してきたところなんです。行く先々でいろんな人と出会い、世界の広さを改めて実感すると同時に、いかに自分がちっぽけな存在であるのかも思い知りました。これだけ世界は広いのだから、己の存在なんて些細なことにこだわらず、常に前へと向かって邁進することが大切なんだ、と。旅先で出会った人たちは、時に自分の考え方や人生そのものを変えてくれるかもしれません。だからこそ、『人は旅をするべきだ』と僕は常々思っています」
道枝「僕はこれまで一人旅をしたことがないので、ぜひともトライしてみたいです。海外に行けばもっと視野も広がると思いますし、グァンハンさんがおっしゃるとおり、自分の価値観も変わるかもしれないですし。世界には自分が見たことがない景色が広がっているかと思うと、それだけですごくワクワクします。普段テレビなどで紹介されている観光地以外にも、ステキな場所がきっとたくさんあると思うので、自分の目で見て脳裏に焼きつけたいです」
――今度は道枝さんが台湾を訪れて、グァンハンさんに案内にしてもらうのはいかがでしょう?
道枝「ぜひお願いしたいです!」
グァンハン「OK!」
道枝「お~!すんなり(笑)」
グァンハン「日本の皆さんにもきっと馴染み深いであろう、台北の郊外にある九份(ジォウフン)と、まだ古い町並みが残っている金山(ジンシャン)に道枝さんをお連れしたいです。金山の海岸沿いをドライブするのもとても気分がいいので、すごくオススメですよ。道枝さんも車の免許はお持ちですよね?」
道枝「いや、車の免許は持ってないんですよ。教習所には通ったんですが、期限が切れてしまって…。グァンハンさんは、劇中で本当にバイクを運転されてますよね?とてもお上手だと伺ったので、僕もアミのように後ろに乗ってみたいです(笑)」
グァンハン「台北では通勤でも通学でも、日常生活を送るうえでバイクはなくてはならないものなんです。道枝さんも台北に3か月も滞在すれば上手に乗れるようになりますよ!」
道枝「へぇ!僕も台湾に行こうかな(笑)」
取材・文/渡邊玲子