『猿の惑星/キングダム』の世界観が“映画紹介マンガ”で丸わかり!人間と猿はどうして争っているの?

コラム

『猿の惑星/キングダム』の世界観が“映画紹介マンガ”で丸わかり!人間と猿はどうして争っているの?

これを読むともっと楽しめる!「猿の惑星」リブート三部作をおさらい

「猿の惑星」シリーズとしては7年ぶりとなった本作。完全新作となるため、本作だけを観ても十分に楽しめるが、2010年代に製作され、高評価を得た三部作とは世界観を共有している部分もあるので、この3作を知っていれば、より本作を堪能できるに違いない。そこで、このトリロジーについて簡単に紹介しておこう。

猿の家族たちによる感動的なドラマも描かれる『猿の惑星/キングダム』
猿の家族たちによる感動的なドラマも描かれる『猿の惑星/キングダム』[c]2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

2011年に製作された『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』は、人類と猿が逆転した起源を描く物語。製薬会社に勤務する科学者がアルツハイマー病の新薬を開発。これを投与された実験用の雌の猿の知能が向上した。この猿の仔であるシーザー(アンディ・サーキス)は、母の高度な認知機能を受け継ぎ、科学者の家で飼育される。しかし人間を傷つけてしまったことから施設に送られ、冷酷な職員に乱暴されてしまう。人間に対して絶望したシーザーは研究施設に侵入して新薬を奪い、ほかの猿にも薬を与えることに。かくして、知能を得た猿は横暴な人間に反旗を翻すことになるのだ。

実は、この新薬は人間にとって危険なウィルスとなりうるもので、研究施設からの漏洩により“猿インフルエンザ”と呼ばれる死の病が瞬く間に広まった。このパンデミックによって、文明社会の壊滅が始まっていく。2014年製作の第2作『猿の惑星 新世紀(ライジング)』は、そうしてディストピア化する世界が舞台だ。シーザーは知能を高めた猿たちを率いて森の中で静かに暮らしていたが、そこに人間の生存者が水力発電を求めてやってくる。猿たちのなかには人間のせん滅を訴えるものもいたが、シーザーは不干渉の方針を取る。一方、人間の側にも武装して猿との戦いを訴える者が現れ、戦争は避けられないものとなっていく。

続く第3作『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』(17)では、猿と人間の戦争が激化。シーザーは妻と子を殺されたことから深い恨みを抱き、人間の軍の大佐に復讐するべく群れを離れる。一方、人間の軍勢には深刻な分断が生じていた。変異した“猿インフル”に感染した人間は言葉を話せなくなるばかりか、知能を奪われて動物化してしまう。大佐はその蔓延を防ぐため、軍に反旗を翻して新規感染者を抹消していた。猿たちは大佐の反乱軍に加え、正規軍をも相手にしなければならない。それはシーザーにとってラストスタンドとなり、この三部作は完結する。

『グレート・ウォー』にはノヴァ(アミア・ミラー)という口の不自由な少女が登場し、シーザーと心を通わせた。それからおよそ300年後の物語になる『猿の惑星/キングダム』にもノヴァと呼ばれる女性が登場しており、関連が気になるところ。ともかく、このシリーズは人間と猿の共存の可能性を描きながら、平和な世界の在り方を問いかけてきた。完全新作となる本作もそんな見応えのあるドラマとなるに違いない。

『猿の惑星/キングダム』は5月10日(金)公開!
『猿の惑星/キングダム』は5月10日(金)公開![c]2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.


文/相馬学 マンガ/大友しゅうま

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