メットガラのドレスコード、ちょっと難しすぎた?“時間の庭”をクリアできなかったセレブたち
なにかが違うコーディネートとは…
●ジェシカ・サーファティ
アイウェアブランドのレイバンの御曹司、レオナルド・マリア・デル・ヴェッキオと昨年婚約した恋多きモデル、ジェシカ・サーファティは、未来の旦那さまとメットガラに参加。サングラス姿で登場したまでは、とてもクールでよかったのだが、撮影が始まり、サングラスを取って大きな花がたくさんあしらわれたガウンを脱いだころから様子がおかしいことに気づく。ビーチから立ち寄ったかのようなショールと水着のようなトップス。合わせたオペラグローブも、上品さに欠けるショッキングピンクだし。中身を見たあとに思えば、一瞬ステキと思ったフラワーガウンも、色がはっきり過ぎて、メットガラのガーデンには似合わない印象を与えてしまった。これから出かけるガーデンが、どんなタイプのガーデンなのかは、よく確認しよう!
●ジェイ・ハリソン・ジー
ノンバイナリーであると公言し、ブロードウェイ俳優として活躍するジェイ・ハリソン・ジーも、カラーパレットがドレスコードというか、全体の雰囲気と合っていないかも問題。アンテナのように伸びるヘッドピースは昆虫と思われるが、背中には大きなボウが。合わせてバタフライってことなのかしら。モチーフは何でもよいのだけれど、合わせたピンクとグリーンがペールなもので、バラードの小説の世界観とは違うガーデンな印象。ドラマティックでグラマラスなルックがよかっただけに、どこか曖昧なコーディネートになっちゃったのはもったいなかった!
●ドージャ・キャット
前回のメットガラで、“ほぼネコ”になったドージャ・キャット。今回は、足首まで続くロングな濡れたTシャツ、涙のように流れたメイクで登場。透けているとか、これがファッションとしてよいのか、などの常識や議論が彼女の前ではすっ飛ぶのは、ある意味さすが。ただ、やっぱりTシャツに込められたメッセージやコーディネートのテーマが、どう「Sleeping Beauties:Reawakening Fashion」、または「The Garden of Time」だったのかが伝わらず。
●ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ
一方、デニムというアメリカブランドらしいテキスタイルを賛美したのは、助演女優部門で、アカデミー俳優の一員になったばかりのダヴァイン・ジョイ・ランドルフ。ギャップのクリエイティブ・ディレクターに就任したザック・ポーゼンとタッグを組み、1969年のヴィンテージデニムを加工したボールガウンで登場して絶賛された。アメリカ発のデニムやギャップは、カジュアルウェアの代表ともされるが、「ロマンと自然を表現し、歴史を称賛した」というコメントのとおり、展示のテーマとドレスコードがきちんと落とし込まれたルックというのは、人を感動できるのだと証明した。
文/八木橋 恵