「予想がすべて裏切られた」「正体って●●なんじゃ…」シャマラン父娘が放つ『ザ・ウォッチャーズ』を20代男女がネタバレ回避で語り合う!
視覚と聴覚、両方で迫る“ウォッチャーズ”の恐怖
遠藤「間違いなくホラー映画なんですけど、ファンタジー要素もありますよね。血が出たりグロい描写も一切ないので、老若男女が安心して観れるホラー映画だと思いました」
高木「いきなりなにかが飛び出てきて驚かせるような演出があったら嫌だなって思っていたんですけど、ここからどうなっていくんだろうとワクワクしながら観ることができました。なので、私は主人公たちに感情移入しながら、自分だったらどうするかな?ってずっと考えていました。でも主人公もほかの登場人物も勇気がありすぎて…」
山下「みんな環境に順応する能力がものすごく高いですよね。普通は穴の中から●●●●を持ってくる発想にはならない(笑)」
小泉「部屋のシーンで、あの4人の前にある大きなガラスが●●●●じゃないですか。ぼんやりと見える向こう側になにか出てくるんじゃないか、破られてもおかしくないなという怖さはずっとありました」
遠藤「確実に死ぬな、っていう状況なら怖くて当たり前ですけど、ガラスとコンクリートの建物で守られていて、『ルールを守れば大丈夫』と安全が保障されていてもなお怖いと感じるのは、“音”の怖さが大きいですよね」
山下「最初にミナが部屋に来た時に、外から拍手する音が聞こえるじゃないですか。あれにゾッとしました」
遠藤「たしかに。あの時点でウォッチャーズの正体って●●●●なんじゃないかって…」
高木「どう考えたって歓迎される場所じゃないのに歓迎してくるから、部屋のなかの4人の気持ちと相入れないものがある。理解できない、話が通じない存在なんだとわかるシーンでもありましたね」
山下「ある意味では、映画館で映画を観ている環境もそれに近いのかなと感じました。視覚的に怖いものがいつ出てくるのかと考えながら、聴覚だけでそれを想像してどんどん怖さが増してくる演出は、観ている側が味わっているものとまったく同じ」
遠藤「でももしかしたら、逆に意思疎通ができるのかなという期待も持ってしまいました。ちゃんと意思を持って生きている存在なのかなって。だからミナはガラスに近づいていったのではないかと」
山下「あとはやっぱり●●●●な状態になったウォッチャーズの姿が、怖いけれど画面に釘付けになってしまいますよね」
遠藤「あれは拍手したくなっちゃう(笑)」
小泉「僕もそのシーンは最高でした。暗い森のなかで、唯一明るい家をバックにした影で見せていて。お父さんの映画だと、敵の姿をあまりハッキリと見せることってないじゃないですか。でもホラー映画としては『これだよこれ!』ってすごくテンションが上がりました」
遠藤「私はもう一つ、昼間の森のシーンがとても怖かったです。安全なはずだけど、すごく遠くまでハッキリと見えていて…」
山下「そこもまたなにか出てくるんじゃないかという感じと、音の怖さがありましたね」
遠藤「総じて森の見せ方がオシャレでしたよね。森を舞台にしたホラー映画って、画が変わらないから結構退屈になりがちですし、色も足りないから、普通はあまりオシャレじゃないんですよね」
高木「わかります!」
遠藤「この映画に出てくる森は彩りがあってすごく綺麗。イシャナ監督はアーティストとして絵も描かれるし、Instagramを見てみるとファッションのセンスもすごくオシャレ。そういう部分が映画にも活かされているんでしょうね」
高木「ミナがずっと連れている鳥も、はじめは『なんで黄色なんだろう?』と疑問だったんですが、森の暗いなかに入ると本当に目立つし、鬱々とした画面のアクセントになっていました」
山下「『サイン』でお父さんがオマージュしたヒッチコックの『鳥』に出てきたカラフルな鳥を思い出しましたし、森のなかで黄色がアクセントになるのは『ヴィレッジ』ですよね」
小泉「僕も次にホラー映画を撮る時は、オシャレ路線を目指そうかな」