「予想がすべて裏切られた」「正体って●●なんじゃ…」シャマラン父娘が放つ『ザ・ウォッチャーズ』を20代男女がネタバレ回避で語り合う!

コラム

「予想がすべて裏切られた」「正体って●●なんじゃ…」シャマラン父娘が放つ『ザ・ウォッチャーズ』を20代男女がネタバレ回避で語り合う!

長編デビュー作ににじみ出る、イシャナ監督の類稀なるセンスと人間性

山下「それにしてもイシャナ監督は現在24歳。自分よりも年下で、これが初めての長編監督作とは思えないくらい落ち着きのある演出ぶりに驚かされました」

メガホンをとったイシャナ・ナイト・シャマランは、偉大な父を持つ現在24歳の超新星
メガホンをとったイシャナ・ナイト・シャマランは、偉大な父を持つ現在24歳の超新星[c]2024 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED

小泉「序盤のカットの速さには若さを感じましたし、とにかくありとあらゆる描写に直球で挑む度胸がすごい。驚いたのはサプライズの見せ方です。観客を驚かせる情報が幾重にも重ねられていて、一つ驚くシーンがあったらまた次、また次と続いていて。こんなにきれいに仕分けできるものなんだなと、その才能には嫉妬しかないです(笑)」

遠藤「サプライズのポイントが全部納得できるものなんですよね。最初のほうのミナの行動の疑問もきれいに回収されるし、この主人公じゃないと絶対ダメなパーソナルデータがいくつも用意されているのは本当に見事です」

高木「原作があるというのはもちろんなんですけど、イシャナ監督のなかに『こう作りたい』というビジョンが明確にあるんでしょうね。本人の理解度がすごく高いから、観客にも伝わるものができる。伏線回収のさりげなさといい、本当にスマートでした」

遠藤「普通、20代で監督になったら『回収したよ!』『ほら見て!』といった、承認欲求が先走った演出になっちゃいますよね」

小泉「やっぱり生まれた時からあのお父さんが近くにいたのが大きいんでしょうね。お父さんの現場にも立ち会って、それを見て学んだ部分もあり、反面教師にしている部分もあり」

山下「現場でのノウハウもしっかりあったうえで、20代としての感覚やトレンドをきちんと押さえられているのも強いですよね。どんなに新鮮なものも、土台がしっかりしていないと浮ついて見えちゃうけど、この映画にはスッと受け入れられる説得力がある」

遠藤「それだけイシャナ監督がいろんな人と関わってきたということなのかなと思いました。コミュニケーション能力や人間力の高さが、年上の俳優さんやスタッフを動かすだけの説得力になってこの映画ができたのだと」

小泉「今後の作品にも期待が持てそうですよね。でもこういう映画をやらせてもらえる環境と、実際に演出できるセンスを24歳で持っているなんて、本当に羨ましすぎる…」

高木「とにかく、嫉妬しかないんですね(笑)」

怖いけれど…ホラー好き以外にも勧められる?

ルールを1つでも破ったら死んでしまう…彼らはどんな行動を取るのか
ルールを1つでも破ったら死んでしまう…彼らはどんな行動を取るのか[c]2024 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED

高木「私のようにホラーが苦手で手を伸ばしづらいと思っている人には、『こういうホラー映画もあるんだ!』と知ることができるきっかけになる作品だと思いました。観終わったあとに『怖かったね』だけで終わるのではなく、観た人と一緒に考察を語り合いたくなる。そういった点がSNS世代に刺さりそう」

山下「誰かと一緒に観られるホラー映画っていいですよね。僕は昔『ミッドサマー』を友だちと観に行ってものすごく気まずくなった経験があるんですが、この映画なら心配なさそうです(笑)」

小泉「よくホラー好きじゃない友だちから『おすすめのホラー映画ある?』って訊かれるんですけど、そういう時に出しやすい映画ですよね。物語として純粋におもしろいし、普通におすすめできるポイントがたくさんある。どんどん周りに広めていこうと思います」

遠藤「私はホラーゲームの実況動画が好きな人に勧めたいですね。ああいった動画に通ずるテンポ感や視点があると思います。それと、予告から感じ取っている方もいるのではないかと思うのですが…SCP好きには親しみやすい作風になっていると思いました。年齢制限もないので、SCPのメインターゲットでもある小、中学生でもきっと安心して観られるはず!」

高木「あとはリアル脱出ゲームとかマーダーミステリーなど、プレイヤーが主体となって考察していくコンテンツが好きな人には、確実に刺さると思います」


『ザ・ウォッチャーズ』は6月21日(金)より公開!
『ザ・ウォッチャーズ』は6月21日(金)より公開![c]2024 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED

遠藤「そうそう!絶対に言えるのは、家でながら見しちゃダメなタイプの作品。無駄な要素がなくて、たぶん画面のすべてに意味がある。先ほど話に出たみたいに、主人公たちと同じような環境が味わえる映画館でじっと目を離さずに観れば、おもしろさがより伝わってくると思います」

山下「確かに。この濃度ならば、複数回観ることでまた新しい発見ができそうですね。今日は皆さんありがとうございました!」

取材・文/久保田 和馬


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