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「最初のシーンは大混乱の地獄絵図」ルピタ・ニョンゴ&ジョセフ・クイン、『クワイエット・プレイス:DAY 1』の恐怖と緊張感を語る

インタビュー

「最初のシーンは大混乱の地獄絵図」ルピタ・ニョンゴ&ジョセフ・クイン、『クワイエット・プレイス:DAY 1』の恐怖と緊張感を語る

「観客は登場人物の先を行っている」(ジョセフ・クイン)

そんな2人の劇中での関係性についてクインは、「エリックとサミラはまったく異なる立場からサバイバルに挑んでいきます。エリックは故郷から遠く離れ、仲間や指導を必要としている。対してサミラは様々な理由から、好意的に接したりそれに応えたりすることができません。しかし2人はお互いを理解するようになっていきます」と説明する。

前2作では家族の物語が描かれたが、本作では見知らぬ2人のサバイバルが描かれる
前2作では家族の物語が描かれたが、本作では見知らぬ2人のサバイバルが描かれる[c]2024 PARAMOUNT PICTURES

「前2作では家族を中心に描いてきましたが、今回は見知らぬ者同士でサバイバルするからこそ、この世界におけるダイナミズムがまったく異なるものになっています」と、クインはシリーズファンならではの視点で熱弁。「この特異なシチュエーションのなかで2人の登場人物がぶつかり合い、そしてお互いを知るというのは、ある種神秘的とも言えるでしょう」。

そして「人々がそれぞれ異なる方法で自分の死と向き合うのを見ながら、観客はそれを一緒に体験することになる。多くの場合、人は死や死後の世界といった人生における大きなテーマについて偏った考えを持っているでしょう。本作は、ものすごい恐怖のなかでそれを探究しているのです」。

【写真を見る】ニューヨークに謎の生命体が突如として襲来!“音”を立てないとか、もはや無理?
【写真を見る】ニューヨークに謎の生命体が突如として襲来!“音”を立てないとか、もはや無理?[c]2024 PARAMOUNT PICTURES

一方で、実際に12年間ニューヨークに住んでいたというニョンゴは「クリーチャーの襲来によってすべてが変化していくなかで、ニューヨークがどのように変わっていくのか描かれているのが興味深かった」と語り、このシリーズの“恐怖”の構造に言及。それは、ほとんどのシーンでクリーチャーの姿がはっきりと映されてこなかったことだ。

「特に1作目がそうでしたが、想像力というものがこのシリーズでは恐怖の大部分をになっていました。だからこそ緊張感があり、キャストの演技もすばらしいので観客は彼らの視点に立っているような気持ちを味わうことになりました」。そのうえで、本作におけるクリーチャー描写については「私たちは撮影でクリーチャーに遭遇した、言えるのはそれだけです(笑)。映画のなかでは、クリーチャーについてもっと深く知ることができるでしょう」と含みを持たせる。


それを受けてクインは、「観客はすでにこのクリーチャーの能力やこの世界のルールを知っている。その点で、登場人物の先を行っている。それは、より緊張感を高めることにつながるはずです」と語る。「最初のシーンは大混乱の地獄絵図で、ある意味ではディザスター映画のようでもあります。しかし事態が落ち着くにつれて、登場人物たちはクリーチャーを回避するルールを学んでいくことになる。そしてそこからまた、興味深い展開が待っているのです」と、観客の期待や想像を超える結末が待ち受けていることを予感させた。

『クワイエット・プレイス:DAY 1』は6月28日(金)公開!
『クワイエット・プレイス:DAY 1』は6月28日(金)公開![c]2024 PARAMOUNT PICTURES

構成・文/久保田 和馬

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