【ネタバレレビュー】すべてをエグる球体、閉鎖的な町…「七夕の国」初回から3話まで、怒涛の“謎”が押し寄せる!

コラム

【ネタバレレビュー】すべてをエグる球体、閉鎖的な町…「七夕の国」初回から3話まで、怒涛の“謎”が押し寄せる!

登場人物のキャラはより立体的に、闇の魅力はより奥深く…物語が加速する!

強大な力を暴走させようとする高志
強大な力を暴走させようとする高志[c] 2024 岩明均/小学館/東映 岩明均「七夕の国」(小学館刊)

それは第3話に入ってからも同じで、ナン丸が大学にやってきた高志の手引きで持てる能力をいよいよ自分のものに。その一部始終を「新技能開拓研究会」の部員・亜紀(鳴海唯)が目撃する原作にはないシチュエ―ションを取り入れているのも見逃せないが、時を同じくして、講演中の参議院議員の上半身が突如現れた巨大な球体によって上半身をえぐられ、即死する怪事件が勃発。丸川町には丸神教授や高志、幸子の大叔父(伊武雅刀)など“手がとどく者”を探す不審な人物が暗躍し、物語がいよいよ加速し始めるのだ。

【写真を見る】巨大な黒い球体が突如現れ、「パン!」という音と共に、講演中の参議院議員の上半身をえぐっていく…!
【写真を見る】巨大な黒い球体が突如現れ、「パン!」という音と共に、講演中の参議院議員の上半身をえぐっていく…![c] 2024 岩明均/小学館/東映 岩明均「七夕の国」(小学館刊)

就職も決まらないのに、のほほ~んとしていたナン丸も、自らの特殊能力に目覚め、“丸神の里”の謎に巻き込まれるうちにキリッとした表情になっていく。そんな彼の変化を細田が繊細に体現し、藤野と上杉が“窓を開いた者”でもある幸子の慄きと苦悩、強大な力を暴走させる高志の邪悪な心を演じ分けるなど、登場人物たちのキャラも立体的になり、ミステリアスな本作の闇の魅力がより奥深いものになる。

巨大な手に6本の指が…
巨大な手に6本の指が…[c] 2024 岩明均/小学館/東映 岩明均「七夕の国」(小学館刊)

気になる謎が次々と出てくる!伏線回収が楽しみ

だが、この3話まではまだまだ壮大なプロローグ!丸神教授はなぜ失踪したのか?丸神の里で起こった残虐な殺人事件の犯人と凶行に及んだ理由は?ナン丸や高志と同じ特殊な能力を持った、ほかの“手がとどく者”は誰なのか?幸子が毎夜悪夢にうなされる“窓を開いた者”の能力はどんなものなのか?

“窓を開いた者”である幸子は、毎夜悪夢にうなされる
“窓を開いた者”である幸子は、毎夜悪夢にうなされる[c] 2024 岩明均/小学館/東映 岩明均「七夕の国」(小学館刊)

丸川町の人々がひた隠しにする、七夕のまつりにまつわる“丸神の里”の秘密とは?丸神山の山頂にあった石の一つが消えたのはなにを意味するのか?高志はなにを企み、“丸神の里”で不穏な動き見せる者たちはなにをしようとしているのか?

そして、江見たちが丸神山の山頂で見た、白い閃光を発した白い頭巾を被った謎の男の正体は?今後のエピソードで、その謎の男を演じた山田はどんな怪演を見せるのか?などなど謎は深まるばかりだが、別の言い方をするなら、その掻き立てられた興味と興奮はジェットコースターの最高地点にまで達したようなもので、ここからいっきに急降下して謎の一つ一つが解明されていくに違いない。

丸神山で行われた謎の儀式
丸神山で行われた謎の儀式[c] 2024 岩明均/小学館/東映 岩明均「七夕の国」(小学館刊)

いや、まだまだ新たな謎が生まれたり、とんでもない新キャラも登場するかもしれない。いずれにしても、謎や伏線が次々に回収される第4話から本作は俄然おもしろくなるはずだ。そのおもしろさを満喫したいなら、第3話までに散りばめられた謎の一つ一つをちゃんと押さえておきたい。


文/イソガイマサト

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