「逃走中」監督×プロデューサーが語る、映画で追求した登場人物の心情「テレビと同じことをしても意味がない」
「テレビ番組ではできなかったことが実現できた」(笹谷)
――映画には安田大サーカスクロちゃんやダイアン津田さん、HIKAKINさんなど番組常連の方たちが本人役として登場されています。
西浦「やっぱり番組とのシンクロ感も大事にしたかったんです。クスッと笑える部分とか、ほっこりできる感じが番組の『逃走中』にはあると思っていて、それを取り入れたいと思って出演していただきました」
――ラスボス的な存在として松平健さんも登場します。
西浦「この役にただベテランや大御所を連れてきても意味がない。意味がある人って誰だろうって考えた時に、『逃走中』にゆかりのある人として松平さんが浮かびました。加えて、今回の役どころは、シーンを重ねてキャラクターをつくっていくというよりは、あえてあまり説明しない。だから最初からラスボス感を背負った人じゃないといけない。その2点が起用の理由ですね。ご本人に乗ってもらえるかが大事なんですけど、松平さんは柔軟な考えをお持ちの方なので、楽しんで参加していただけましたね」
――今回の映画を拝見して、お話を聞くなかでも本作は「子どもに観てほしい」という強い意志を感じました。
西浦「そうですね。もとの番組を視聴している年齢層に子どもが多いということももちろんあるんですけど、やっぱり未来に向けて考えたいなと思ったんです。それで問題提起といったら大げさですけど、問いかけたいという想いがあったんです」
笹谷「本当に番組ではできなかったことが実現できたのでうれしいです。いままで観られなかった新しいものが描けた。子どもだけでなく、親子で一緒に観て楽しめる映画だと思います」
取材・文/戸部田 誠(てれびのスキマ)
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