「作品の核は友情」ライアン・レイノルズ&ヒュー・ジャックマンが『デッドプール&ウルヴァリン』に込めた想い
「喜びと大胆さを持った作品で、世界中を楽しませる」(ライアン・レイノルズ)
2000年代前半に「X-MEN」シリーズと、ソニー・ピクチャーズによる「スパイダーマン」シリーズで一気にアメコミ映画ブームが世界中に拡大し、『アイアンマン』(08)から始まったMCUは爆発的なヒットを連発。そして『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)は公開当時の全世界興収新記録を打ち立てるなど、MCU作品は世界の映画史に欠かせない存在となってきた。
しかしコロナ禍以降、映画界全体が様々な苦境に立たされ、MCU作品も例外なくその煽りを受けることに。一部では“スーパーヒーロー疲れ”ともいわれるなど、かつてのような勢いを失いつつある。これまで毎年複数本が劇場公開されていたMCU作品だが、現状、2024年はこの『デッドプール&ウルヴァリン』1本のみ。両ヒーローにとって初のMCU参戦となることも相まって、MCUをはじめとしたあらゆるスーパーヒーロー映画の現状を打破する作品として非常に大きな期待が寄せられている。
記者からの質問で、「マーベルを救う作品」としてのプレッシャーがあるのか訊ねられたレイノルズは「そういったものは感じていません。普段通りに、自分たちで自分たちを追い込むようなこともありませんでした」と回答。「ショーンと2人で脚本を執筆していた段階で、“マーベルの神”と書きました。その時はデッドプールの妄想としての表現だったのですが、いつのまにかマーベル全体にとってリセットが必要な状況となり、想像していたよりも現状とマッチする表現になってしまったように思います」。
そして「でもそれは外側から作品を観た時にそう見えるだけであり、僕らにはそんなつもりはありませんでした。僕らの仕事というのは常に、喜びと大胆さを持った作品をつくることであり、世界中の観客を楽しませることにほかなりません。特にここ数年、ストーリーテリングに求められるいちばんの魔法は“喜び”というものです。だからそれをできるだけ詰め込む努力をしてきました。きっとスクリーンから、僕らの熱意や作品に込められた喜びを感じてもらえるはずです」と真摯に説明。
それを受けてジャックマンも「皆さんの期待は僕らも肌で感じています。ですが、僕ら3人がこの映画にかける期待はそれ以上です。僕にとってこれはウルヴァリンを演じる10本目の映画であり、ライアンとショーンは脚本家としてもプロデューサーとしても心血を注ぎ、最高のウルヴァリンを作ってくれました。脚本を読んだ時にも撮影現場でも感じたことですが、こんなに僕のキャラクターを大事にしてくれる人はこれまでほかにいませんでした。だから、いままでとは違うヒーロー映画になっているし、きっと満足してもらえることでしょう」と力説。