「作品の核は友情」ライアン・レイノルズ&ヒュー・ジャックマンが『デッドプール&ウルヴァリン』に込めた想い
「ブラザーフッドの映画であり、ロマンス映画でもある」(ショーン・レヴィ監督)
「デッドプール」シリーズの過去2作と『LOGAN/ローガン』(16)はいずれも刺激的な暴力描写を主な理由として、アメリカ国内のレイティングで「R」(17歳未満の鑑賞には保護者の同伴が必要)に指定されていた。しかしこれまでフランチャイズを手掛けてきた20世紀フォックスがディズニー傘下に入ったことで、“デッドプールらしさ”が失われるのではないかとも危惧されてきた。
それについてレヴィ監督は「まったくもって“デッドプールらしさ”が薄まってしまう心配は初めからありませんでした。それは僕自身が両ヒーローの大ファンであり、マーベル側もディズニー側も、これがいままでとは違う作品になるとわかっていたからでしょう」と説明。その言葉通り、本作はこれまでと同様「R」に指定され、MCU作品としては初めてのR指定映画として本国アメリカで公開されることになる。
「MCUには様々な歴史があるけれど、この作品はあくまでも『デッドプール』のユニークなトーンを守り、そのDNAを引き継いだ作品です」とレヴィ監督が続けると、レイノルズも「だからといって無理やりR指定にしようとか、下ネタをたくさん入れようとかは考えませんでした。これまで20世紀フォックスで作ってきた作品と同じように、自由で自然であることを目指したのです。サプライズはたくさんありますが、観客の皆さんにショックを与えるようなことはありません。僕の79歳の母も、9歳の娘もラフカットを観ましたが、とても気に入ってくれていました」。
最後に現地の記者から、「今年最も楽しみな“ロマンス映画”です」と声をかけられると、ジャックマンは「そう期待してもらえるのはおもしろいことです」と笑みを浮かべる。レヴィ監督は「この映画は友情やブラザーフッドの映画でもあります。最初はぶつかり合うけど、徐々に人同士のつながりの物語になっていきます。なので、互いの顔に拳を叩きつけるタイプのロマンス映画であることは間違いないでしょう」と茶目っ気たっぷり。
そしてジャックマンは「この作品の核となるのはデッドプールとウルヴァリンの友情。長年ファンに愛されてきた2人が待望のタッグとなり、それがMCUで実現した。とてもうれしいです」と改めて喜びをかみしめ、レイノルズも「この6年間は忙しすぎて、また次の『デッドプール』をやるなら離婚することになると娘に言われたぐらいです。それぐらいあらゆる時間をこの作品に費やしてきました」と、いよいよ2大ヒーローの夢の共演を世界に届けられることに手応えをにじませていた。
文/久保田 和馬