BLINKライターが『BLACKPINK WORLD TOUR [BORN PINK] IN CINEMAS』を熱烈レビュー!ライブで改めて感じた4人の魅力と7年間の軌跡
「BLACKPINKは個々が"DIVA"」であることをわからせてくれるソロステージ
熱気も高まったところで、ソロステージへ。ここからは、感想を綴ると共にBLACKPINKのメンバーについて改めて紹介していきたい。
トップバッターのジェニーは、黒のヘッドドレスに顔を覆われたミステリアスなビジュアルで登場し、「SOLO」を披露。喪服を彷彿とさせるコスチュームと、「過去の恋に別れを告げ、1人で輝いて生きていく」というメッセージを持つ楽曲の世界観が見事にマッチしていた。続いては、恋焦がれる相手との美しい瞬間を過ごす気持ちを表現した「YOU&ME」。チャーミングな笑顔と、ダンサーとの色気たっぷりなペアダンスにすっかり魅了されてしまった。
思えば、メンバーの中で最初にソロデビューしたのもジェニーだが、2010年にYGエンターテイメントに入社した一番練習生期間が長いメンバーで、デビュー前からファンの間では有名な練習生だった。ネイティブ並の流暢な英語を駆使したラップやグルーヴが効いた存在感のある歌声が持ち味で、歌、ダンス、ラップどれをとっても申し分なく、まさにエースといっていい存在だ。
会場が再び暗転し、ステージには膝を抱えて座り込むロゼの姿が。披露するのは、感傷的なバラード曲「Gone」。幻想的なギターの音色が響くなか、「All my love is gone(私の愛はすべてなくなってしまったの)」と繰り返される歌声が切なくも美しく、聴き入ってしまう。そして、儚い雰囲気から一変し「On The Ground」のステージへ。か弱く膝を抱えていたロゼが今度はダンサーに担ぎ上げられ、高らかに「Everything I need is on the ground (私が欲しいものは私の中にある)」と歌い上げる。その一連の流れから、「別れの悲しみを経験したことで、本当に求めていたものに気づき、より広い世界へと飛び立っていく」という壮大なストーリーすら見える。
ロゼといえば、高い歌唱力でBLACKPINKの楽曲を彩るメンバー。オーストラリア出身で、グループの中で1番練習生期間が短いものの、歌も楽器もこなすオールラウンダーとして知られる。彼女の繊細さと力強さを兼ね備えたユニークな歌声は、BLACKPINKの象徴でもあるのだ。
次に現れたジスは、初のソロシングル「ME」に収録されている「All Eyes On Me」「Flower」を披露。「ME」というタイトルには、ソロアーティストとして生まれ変わった自分(ME)や本来の美しさ(美)という意味が込められているそうだが、ソロステージでの彼女は、"BLACKPINKのジス"とは違った魅力を放ち、自信に満ち溢れていた。また、煌びやかな花やストーンがあしらわれたチュールドレスをまといながら自由自在に舞う姿は華麗で美しく、「ME」に込められたメッセージをまさしく体現していた。
BLACKPINKの最年長であり、ビジュアル担当ともいわれているジス。ドラマ「スノードロップ」(21)で主役を果たすなど、女優としてのポテンシャルも併せ持つ。美貌に注目が集まりがちだが、個人的に彼女のハスキーで暖かみのある歌声はBLACKPINKの楽曲の基盤となり、メンバーの声を繋ぐ潤滑油の役割を果たしていると感じる。また、外見とギャップがあるユーモアたっぷりなキャラクターや常に朗らかでグループのムードメーカーとなっているところも魅力の一つだ。
ソロステージのラストを飾るのはリサ。ネオンのスクリーンに彼女の影が映し出され、その人間離れした抜群のプロポーションに思わず息を飲んでしまった。リサのパーフェクトボディに見惚れていると、突如力強いドラム音が轟き、本人がステージに登場。歌うのは、YouTube再生数が10億回を突破した「MONEY」。途中、大勢のバックダンサーたちを従えたダイナミックなパフォーマンスに「かっこよすぎる」と心の声が漏れてしまいそうに…。紙幣の吹雪が舞うなかで踊り狂い、時々こちらを挑発する目つきをする姿は、まさに舞台の覇者と呼ぶに相応しい。
BLACKPINKで最年少のリサは、2010年に母国タイで開催されたYGエンターテイメントのグローバルオーディションに唯一の合格者として練習生に選ばれた逸材だ。彼女の卓越したダンススキルは、当時から群を抜いていたようで、ジェニーは初めてリサと対面した時に、1回見ただけで振り付けを覚えてしまう彼女の才能に驚いたと語っている。そして、今年6月には個人レーベルに移籍後初となるソロ曲「ROCKSTAR」をリリースし、さらにブラッシュアップされたパフォーマンスで話題に。今後も、彼女の快進撃は止まらないだろう。