サスペンス・スリラー作品『ニューノーマル』で魅せたチェ・ジウの新境地「私にはムリです、と一度お断りしたんです」

インタビュー

サスペンス・スリラー作品『ニューノーマル』で魅せたチェ・ジウの新境地「私にはムリです、と一度お断りしたんです」

「何でも自然に受け入れるように心がけています」

「ヒョンジョンという人物を、自由に想像しながら観ていただきたい」
「ヒョンジョンという人物を、自由に想像しながら観ていただきたい」[c]2023 UNPA STUDIOS.ALL RIGHTS RESERVED.

“第一次韓流ブーム”のきっかけとなり、チェ・ジウを日本で一躍有名にした「冬のソナタ」がNHKで放送されてから21年目となる今年、TBS系「ブラックペアン シーズン2」で久々に日本のドラマに出演した彼女。その間、結婚、出産を経験しながらも韓国でほとんど休みなく活動していたが、日本では韓流ファン以外にはごぶさた感が強かったのではないだろうか。その点について彼女は「『冬のソナタ』で私が演じたユジンの初々しい姿が記憶に残っている方が多いと思うので、月日が経って歳を重ねた現在の私を、日本の皆さんが温かく迎えてくださるか心配でした」と、不安だった気持ちを打ち明けてくれた。

だが、そんな心配は無用で、日本の視聴者たちはチェ・ジウとの“再会”を喜び、日本での歓迎ぶりに彼女はとても感謝していた。また、以前と変わらない可憐で美しい姿に多くの称賛が集まった。美しさを保つ秘訣を尋ねると「特別な事はしてないんですけど…なにかあるかな?おいしい物を食べるのも大好きですし、友だちとお酒を飲んだり、仕事終わりにスタッフの方々とビールを飲んだりするのも小さな幸せですし…」としばらく答えを探し、「なんでも自然に受け入れるように心がけています」と、変化に無理に抗わず“自分らしくある事”を挙げた。

「結婚、出産…いろんな変化を長所として、今後演技に活かしたい」

一児のママになっても変わらない美しさ
一児のママになっても変わらない美しさ撮影/友野 雄

そして母親になったことは、チェ・ジウにとって良い影響をもたらしたようだ。まずは「子育てを通して物事をポジティブに考えられるようになった」そう。そして「娘が生まれて51ヶ月目なんですが、その成長を見守るのが最近の一番大きな幸せです」と微笑んだ。「娘と一緒に色々な所に旅行に行きたいですね。様々な体験をさせたいし、私自身も新たな経験をしたい」と母親の顔を見せる一方、「娘がもっと幼かった時は、いま以上に母親が必要な時期だったので育児に比重を置いていましたが、最近は仕事とのバランスを上手く取れるように努力しています。これからは(女優と母・妻という)二兎を追いながら、新しい姿を見せていきたいです」と、新たなフェーズに入ったことを告げた。

結婚、出産、そしてコロナ禍と様々な変化を経たチェ・ジウの“ニューノーマル”はなんだろうか。「『ニューノーマル』の冒頭で、いくつもの凄惨なニュースが流れるんですが、あれはすべて実際の事件です。本当に恐ろしい、驚く事件ばかりで、そんなニュースを見聞きするたびに、世の中どうしちゃったんだろう…って、委縮するし怖くなります。だからいま、すごく集中して1日1日を幸せに過ごそうと努力しています。これが私の“ニューノーマル”ですね」と答えてくれた。

続けて「様々なことを経験して、感情の幅が広がったと感じています」とも話し、「このような変化を長所として、今後演技に活かしたいですね。女優としてプラスになるし、役柄にこだわらずに演じて、みなさんにもっと私の新しい姿をお見せできるのではないかと楽しみなんです」と、自身もまだ知らない姿への期待感も覗かせた。演技の幅を広げながら、チェ・ジウはまだまだ進化を続けていく。

取材・文/鳥居美保


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