「家族に会いたくなる」「誰にでも当てはまる」…吉沢亮が青年の葛藤を体現した『ぼくが生きてる、ふたつの世界』にみる物語の普遍性
年齢によって変わる感情をすくい取った吉沢亮の演技力に脱帽
中学生から大人まで主人公、大の人生の大半を演じている吉沢亮。母親に対して厳しい口調で苛立ちをぶつけたり、うわの空でパチンコを打ったり、ろう者の智子(河合祐三子)ら東京で新たに出会った人々に笑顔を向けたりと、その時々の感情を繊細かつ表情豊かに体現している。
「ほんとに同じ人?って思うぐらい表情や行動や見た目が全然違くて。でも心の奥にある大の気持ちはずっと同じという感じもして、改めて演技の上手さに度肝を抜かれました」(20代・女性)
「(上京前の、母親と電車に乗るシーンを観て)小さいころの大好きな母に素直に接していた大と根幹は変わってないのだと、笑い合う2人を見てあたたかな気持ちになりました」(40代・女性)
「智子さんと初めて出会った時のやり取りに、大くんの根底の優しさが表れていて、ユーモアもあっておもしろかった」(30代・女性)
これらの言葉にもある通り、吉沢の演技や巧みな演出によって大の奥底に存在する“人間的な温かみ”を浮かび上がらせている。なかでも物語の終盤に大の母への感情がいっきに込み上げるシーンには、「いろんな想いがあふれ出した瞬間、一緒に涙があふれた」(30代・女性)など、心を揺さぶられたという声が多数見受けられた。
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映画ファンのコメントから浮かび上がってくる、本作の普遍的なテーマ
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