再ブレイク中のウィノナ・ライダー!『シザーハンズ』&『若草物語』から「ストレンジャー・シングス」、『ビートルジュース』続編へと至るキャリアを追う|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
再ブレイク中のウィノナ・ライダー!『シザーハンズ』&『若草物語』から「ストレンジャー・シングス」、『ビートルジュース』続編へと至るキャリアを追う

コラム

再ブレイク中のウィノナ・ライダー!『シザーハンズ』&『若草物語』から「ストレンジャー・シングス」、『ビートルジュース』続編へと至るキャリアを追う

ティム・バートンの最新作『ビートルジュース ビートルジュース』(公開中)は、同監督の出世作ともいえる1988年の『ビートルジュース』のなんと36年ぶりの続編。これだけのインターバルが空きながら、何人かのキャストが前作から続投している。なかでもウィノナ・ライダーが同じ役で復帰したことは、当時彼女のファンになった人には最高のプレゼントになったのではないか。

相変わらずリディアと結婚しようと画策するビートルジュース(『ビートルジュース ビートルジュース』)
相変わらずリディアと結婚しようと画策するビートルジュース(『ビートルジュース ビートルジュース』)[c] 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

『ビートルジュース ビートルジュース』でハマり役を36年ぶりに演じる

自身の当たり役に長いブランクを空けて戻ってきた例といえば、『ブレードランナー』(82)→『ブレードランナー 2049』(17)のデッカード役、ハリソン・フォードの“35年ぶり”があったが、今回のライダーはそれをさらに1年上回る。『ビートルジュース』で彼女が演じたリディアは、引っ越し先の家に棲みつく幽霊たちと仲良しになる不思議少女。リディアの一家を追い出そうとする奇抜なキャラ、ビートルジュースからも好かれるのだが、両親には複雑な思いを抱く屈折感と、そのメイクやファッションから“ゴスっ娘”として人気となった。そんなリディアのキャラクターにライダーが完全にマッチし、彼女は一気にブレイクすることになる。

オカルト番組の司会者として成功を収めているリディア(『ビートルジュース ビートルジュース』)
オカルト番組の司会者として成功を収めているリディア(『ビートルジュース ビートルジュース』)[c] 2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

『ビートルジュース』や『シザーハンズ』でアイドル的人気を博す

『ビートルジュース』の全米公開時、ライダーは16歳。映画デビューは2年前の『ルーカスの初恋メモリー』(86)で、バートン監督は同作の彼女を見て、リディア役をオファーしたという。ライダー自身も、この役はどうしても掴みたかったとのちに告白している。『ビートルジュース』公開翌年の『ヘザース ベロニカの熱い日』(89)では、高校でいじめに遭うライダー演じるヒロインが、ヤバい転校生男子の協力で過激な殺人を企てるブラック青春コメディ。『ビートルジュース』のように大ヒットしたわけではないものの、ライダーのファンを激増させ、のちの同タイプの映画にも大きく影響を与えたカルト作として記憶される。

ビートルジュースに惚れられる霊感少女のリディアを魅力的に演じた『ビートルジュース』
ビートルジュースに惚れられる霊感少女のリディアを魅力的に演じた『ビートルジュース』[c]Everett Collection/AFLO

さらに、バートンとの再タッグとなった『シザーハンズ』(90)において、ジョニー・デップ扮する“ハサミ男”とのせつないラブストーリーを体現したライダーは、トップスターの地位を確立。『恋する人魚たち』(90)では、得意のアウトサイダー的な感情を見事に表現し、演技も絶賛されてゴールデン・グローブ賞ノミネートを果たす。このように1980年代後半は、日本の映画ファンの間でもライダーの人気はアイドル的に過熱。外見はもちろんだが、演じた役柄も相まってオタク心も刺激する存在だったのである。

【写真を見る】ジョニー・デップ演じる両手がハサミの人造人間とのロマンスを体現した『シザーハンズ』
【写真を見る】ジョニー・デップ演じる両手がハサミの人造人間とのロマンスを体現した『シザーハンズ』[c]Everett Collection/AFLO

アカデミー賞ノミネートを果たすなど演技派としての道も歩んでいく

1990年代に入るとライダーは、ジム・ジャームッシュ(『ナイト・オン・ザ・プラネット』)にフランシス・フォード・コッポラ(『ドラキュラ』)、マーティン・スコセッシ(『エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事』)と世界的巨匠の作品に次々と呼ばれ、『エイジ・オブ・イノセンス』ではアカデミー賞助演女優賞にノミネート。実力派スターの道を歩み始める。ジェネレーションXの青春ドラマ『リアリティ・バイツ』(93)は日本の同世代にも熱い共感を呼び、これをライダーの代表作として愛する人も多い。

19世紀末のニューヨークの社交界を舞台に、許されぬ恋に魂を燃やした男女の姿を描く『エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事』
19世紀末のニューヨークの社交界を舞台に、許されぬ恋に魂を燃やした男女の姿を描く『エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事』[c]Everett Collection/AFLO


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