大ヒット中の『侍タイムスリッパー』 安田淳一監督、沙倉ゆうのがミニシアターを巡回!支援プロジェクトの重要性を訴える
SNSでの口コミを中心に話題を呼び、池袋シネマ・ロサの単館スタートから全国規模の拡大公開へとつながる大ヒットを記録中の映画 “侍タイ”こと『侍タイムスリッパー』(公開中)。10月6日、本作が「ミニシアター支援プロジェクト」とコラボした舞台挨拶が行われ、安田淳一監督と沙倉ゆうのが登壇。「ミニシアター支援プロジェクト」のアンバサダーである沖田遊戯としゃべんじゃーず代表・柳生玄十郎も参加し、兵庫県をはじめとする各地のミニシアターを巡回した。
「ミニシアター支援プロジェクト」とは、コロナ禍を乗り越えつつも、事業継承や老朽化した設備への投資といった問題により存続の危機を迎えているミニシアター(4スクリーン以下で、単館系・アート系と呼ばれる作品を主として上映する劇場が対象)を支援しようというプロジェクト。全国興行生活衛生同業組合連合会(略称:全興連)の主導でクラウドファンディングによる資金調達支援を行っており、第1弾となった日本最古級の映画館「高田世界館」(新潟県上越市)はすでに目標額を達成している。
ミニシアター発の映画で大ヒットを記録している安田監督は、本プロジェクトについて「まだ池袋ロサの都内1館での公開しか決まっていなかった頃から、直接私のもとに全国のミニシアターの映画館から上映についての問い合わせをいただいていたんです。この作品が日本中のお客様にお届けできるかも!という可能性を感じて、すごく勇気が湧いてきて、映画館からの声が私にとって、とても力になりました。今回の支援プロジェクトにこのような形で参加させてもらえて嬉しい想いです」と語った。
この日の巡回舞台挨拶1か所目となった兵庫県尼崎市の塚口サンサン劇場では、地元出身の柳生がMCを務め、設備入れ替えのコストや事業継承の問題等で厳しい経営状態が続くミニシアターの現状を来場者に説明。高田世界館では目標額を上回る支援が集まっていることや、この状況を広く知ってもらうためのSNSキャンペーンが実施されていることを伝えると、満席の会場からは温かい拍手が起きた。
安田監督は「実はSNSでお客様から『塚口サンサン劇場でも上映してほしい』という声が上がるより前に、塚口サンサン劇場から『侍タイムスリッパーを上映したい』というご連絡をいただいておりました。早いタイミングで注目していただいたことが嬉しくて、ぜひとも!と即答いたしました」と、 “侍タイ”現象が起こる前の秘話を披露。沙倉は「わたしは西宮出身なので、小さなころは母と一緒にこの塚口サンサン劇場に映画をよく観に来ていました」と楽しかった思い出と共に、幼少期から親しんだ劇場のエピソードを語った。
2か所目に訪れた劇場は、岡山県岡山市の岡山メルパ。沙倉は「(『侍タイムスリッパー』主演の)山口馬木也さんの出身地ということで、今日来ることをすごく楽しみにしていました。山口さんがずっと『実家の家族にもぜひ映画館で観てほしい』とおっしゃっていたのを聞いていましたので、岡山でも上映してもらえることになって本当にうれしいです」と感無量の面持ちで話した。岡山メルパでは公開からすでに約1か月が経過しながらも、熱心なファンが数多く訪れ、『侍タイムスリッパー』の製作秘話をはじめとする安田監督と沙倉のトークに耳を傾けていた。
そして、広島県広島市の八丁座でこの日最後の舞台挨拶が行われ、MCは広島出身の沖田が務めた。安田監督から自主映画ならではの“出資”に関する秘話を引き出すと劇場は大盛りあがり。また安田監督は八丁座について「まず、椅子がいい!」と通常の映画館よりも大きく高級感にあふれる椅子をはじめとした鑑賞環境を絶賛した。
舞台挨拶の締めくくりとして、安田監督が「皆さん、ミニシアターの置かれた状況を広く知ってもらうために『#ミニシアターへ行こう』のハッシュタグをぜひSNSで拡散してください!」と呼びかけると、満席の会場からは賛同の拍手が沸き起こり、和やかな雰囲気の中、無事『侍タイムスリッパー』のミニシアター巡回舞台挨拶は終了した。
また今回の舞台挨拶と並行して、柳生が塚口サンサン劇場、沖田が八丁座を取材し、ミニシアターならではのおもしろい取り組みや個性的な魅力に迫った動画がそれぞれのYouTubeチャンネルで公開予定とのこと。あわせてチェックしてみてほしい。
文/編集部