『ヴェノム:ザ・ラストダンス』がアメコミ映画初の快挙!シリーズ3作連続で動員ランキングNo. 1スタート

コラム

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』がアメコミ映画初の快挙!シリーズ3作連続で動員ランキングNo. 1スタート

11月1日から11月3日までの全国映画動員ランキングが発表。トム・ハーディが主演を務める「ヴェノム」シリーズの最新作にして最終章となった『ヴェノム:ザ・ラストダンス』(公開中)が初登場でNo. 1を獲得した。

“スパイダーマンの宿敵”がアメコミ映画を支えている?

【写真を見る】トム・ハーディと地球外生命体の奇妙な共生生活!“俺たち”のユーモアな掛け合いが人気の秘訣に
【写真を見る】トム・ハーディと地球外生命体の奇妙な共生生活!“俺たち”のユーモアな掛け合いが人気の秘訣に[c] & TM 2024 MARVEL. [c]2024 CPII. All Rights Reserved.

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』の初日から3日間の成績は、観客動員が29万8404人、興行収入が4億4420万円。前作『ヴェノム:レット・ゼア・ビ・カーネイジ』(21)が初日から3日間で動員41万人&興収6億円、前々作の『ヴェノム』(18)が同じく動員39万7000人&興収5億9600万円だったので、それらと比較すると7割強とやや下落気味。

それでも2024年に公開された実写洋画作品としては『ゴジラxコング 新たなる帝国』(24)に次ぐNo.2の動員で、興収でみても『デッドプール&ウルヴァリン』(24)と『ゴジラxコング』に次ぐ第3位。祝日を含めた4日間での累計では興収6億8715万円に到達しており、最終興収21億9000万円だった前々作、同じく19億1000万円だった前作にどこまで迫ることができるのか注目が集まるところだ。

最終章となる最新作では、ヴェノムのルーツに関わる強敵が出現
最終章となる最新作では、ヴェノムのルーツに関わる強敵が出現[c] & TM 2024 MARVEL. [c]2024 CPII. All Rights Reserved.

また、あらためて調べてみたところによれば、この「ヴェノム」シリーズは非常に価値のある記録を打ち立てたようだ。海外と比較すると、日本ではいまひとつ浸透しきれていないイメージの強いアメコミ映画。ここ10年ほどでマーベル・シネマティック・ユニバースを筆頭に様々な作品が公開され、まずまずの成績を収めているのだが、同一アメコミ映画シリーズ3作連続で動員ランキングNo. 1に立ったのは「ヴェノム」が初めてである。

例えば「アベンジャーズ」シリーズは第1作と第2作、そして大団円の第4作が首位スタートを飾っているが、第3作はちょうど強敵「名探偵コナン」とバッティングし2位発進。「スパイダーマン」シリーズも、MCU版は第3作しか首位に立てておらず、20年近く前に大ヒットを記録し日本でのアメコミ映画ブームのはしりとなったサム・ライミ版は「ハリー・ポッター」と公開時期が重なった第2作が首位を逃している。

わかりやすいストーリーと大迫力のアクション、ハリウッド映画の醍醐味がぎっしり
わかりやすいストーリーと大迫力のアクション、ハリウッド映画の醍醐味がぎっしり[c] & TM 2024 MARVEL. [c]2024 CPII. All Rights Reserved.

ちなみに前々作『ヴェノム』の時は、最終興収20億弱を記録してシリーズ化もした『スマホを落としただけなのに』(18)と公開日が重なり、前作『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』は、2週目だったとはいえ最終興収50億円超えの嵐のライブドキュメンタリーを押さえての首位発進。となれば、単純に相手関係に恵まれただけというわけでもなさそう。


そうした人気の高さの一端を担っているのは、“スパイダーマンの宿敵”という点ももちろんあるだろうが(それでもこのシリーズではスパイダーマンと戦うわけではない)、それ以上にインパクトあるキャラクター性と、迫力とユーモアを交えた複雑さのない明瞭なストーリー。そしてアメコミ映画としては短めの上映時間にアクションを凝縮した、エンタメには欠かせない気楽さを備えているからであろう。ハリウッド映画に求められるのは、こういうタイプの作品なのだろう。

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