『室井慎次 生き続ける者』が前作超えの成績で初登場No. 1!全国規模で行われた先行上映の効果は?

コラム

『室井慎次 生き続ける者』が前作超えの成績で初登場No. 1!全国規模で行われた先行上映の効果は?

11月15日から11月17日までの全国映画動員ランキングが発表。「踊る大捜査線」シリーズの12年ぶりの再始動として、同シリーズの中心人物のひとりである室井慎次を主人公にした2部作の後編『室井慎次 生き続ける者』(公開中)が、前編に引き続き初登場でNo.1を飾った。

気になるシリーズファンからの評価、「踊る」の今後は?

先行上映と併せて興収6億円に迫るスタートダッシュを飾った『室井慎次 生き続ける者』
先行上映と併せて興収6億円に迫るスタートダッシュを飾った『室井慎次 生き続ける者』[c]フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

『室井慎次 生き続ける者』の初日から3日間の成績は、観客動員が26万8000人で興行収入が3億7700万円。これは10月に公開され、今週も7位にランクインしている前編『室井慎次 敗れざる者』(公開中)の初日3日間の成績(動員25万1000人、興収3億6100万円)と比較すると微増。前編はすでに累計動員100万人の大台を突破しており、後編もそれに続くヒットを記録することができるか注目が集まるところ。

また本作は、先週末の11月8日から11月10日までの3日間にわたって全国の劇場で先行上映が行われており、その成績を含めると累計動員42万人&興収6億円に迫っているとのこと。洋画の大作では昔から公開前の週末に“先行レイトショー”が行われたり、近年でもIMAXなどのラージスクリーンフォーマット限定で先行上映が行われることも珍しくないが、本作のような邦画のメジャー作品で、イベント上映ではない全国規模で大々的に行われる例はあまり多くはないはずだ。

前編で描かれた意味深な要素の数々が、後編ですべて明らかに
前編で描かれた意味深な要素の数々が、後編ですべて明らかに[c]フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

洋画の場合は海外と日本の公開時期に差があるからこそ、先行上映に一定の効果が見込めるが、邦画の場合は知名度があって多くのファンが存在している作品、あるいは前後編の連続公開などで「一刻も早く観たい」という欲求が駆り立てられるタイプの作品であることが必要条件といえよう。本作の場合はそれらをすべて満たしており、かつ先述の成績を参照してわかる通り、それなりの成果を収めている。これは今後の格好のモデルケースになるはずだ。


本作をまだ観ていない人のためにも多くを語ることは差し控えるが、この「室井慎次」2部作に対する往年の「踊る」シリーズのファンからの評価は真っ二つで、むしろ“賛否”の“否”のほうが強い印象すらも受ける。それは「踊る」らしさが徹底的に封じられた作品であった点や、(前々から多くのファンのなかで察しはついていたとはいえ)ラストの展開が受け入れ難いものであったことなど、理由は多々あると考えられる。

新城が受け継いだ、室井と青島の“約束”。今後の「踊る」に期待はふくらむばかり
新城が受け継いだ、室井と青島の“約束”。今後の「踊る」に期待はふくらむばかり[c]フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝

しかしそれをすべて覆すだけの高揚感と共に待ち受ける、“「踊る」はまだ続く”と示された最後の一文。日本の実写映画のなかでも抜群の成績を収めてきた「踊る」シリーズが再始動した以上、動員100万人で満足するわけにはいかない。願わくばお台場の、湾岸署を舞台にした次なる一手で文句なしの大成功を収めてくれることを期待しながら、続報を待つことにしよう。

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