次期ジェームズ・ボンド役の最有力!?MCUや『ブレット・トレイン』『クレイヴン・ザ・ハンター』などに出演してきたアーロン・テイラー=ジョンソンのこれまで
ジョン・レノンの若き日を演じた『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』
1990年にイギリスのバッキンガムシャーで生まれたテイラー=ジョンソンは現在34歳。6歳で初めて舞台に立って演技の楽しさを知り、10歳の頃から映画やドラマで本格的に子役として活躍。ジャッキー・チェン主演の『シャンハイ・ナイト』(03)では喜劇王チャップリンの子ども時代を演じた。その後も着実にキャリアを積んだテイラー=ジョンソンにとって、運命の一作となったのが『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』(09)だ。ジョン・レノンの若き日を演じ、多くの演技賞を受賞して才能を評価された彼は、同作の監督で、23歳年上のサム・テイラー=ウッドと惹かれ合い、婚約。この作品まではアーロン・ジョンソンだった芸名に“テイラー”がプラスされた。彼らには2人の娘が生まれ、2012年に正式に結婚する。
『GODZILLA ゴジラ』、『ブレット・トレイン』など日本関連の作品も
テイラー=ジョンソンは日本に絡んだ作品への出演も目につく。ハリウッド製作で、渡辺謙も出演した『GODZILLA ゴジラ』(14)では、ゴジラの戦いにも関わる主人公の海兵隊員を演じた。役作りでは海軍で2か月ものトレーニングを受けたという。子ども時代を日本で過ごし、少しだけだが日本語も理解する役どころだ。
そして伊坂幸太郎の小説を映画化した『ブレット・トレイン』(22)では殺し屋コンビの一人を演じ、日本の新幹線で激しい攻防を繰り広げた。撮影は日本では行っていないものの、この作品でテイラー=ジョンソンは、共演のブラッド・ピット、真田広之らと来日キャンペーンに参加している。
このほかにも、『TENET テネット』(20)で時間逆行の作戦での指揮官、『キングスマン:ファースト・エージェント』(20)では第一次大戦下のイギリスの軍人、『フォールガイ』(24)で撮影現場から行方をくらますスター俳優と、アクション大作に引っ張りダコのテイラー=ジョンソンだが、作品ごとに違った顔を見せ、演技の幅が広いことも証明する。ゴールデン・グローブ賞の助演男優賞に輝いた『ノクターナル・アニマルズ』(16)における殺人犯役では背筋を凍らせる瞬間も多数。人智を超えた危うさや狂気は、最新作『クレイヴン・ザ・ハンター』でも発揮されている。
アーロン・テイラー=ジョンソンからますます目が離せない!
イギリスの大衆紙「ザ・サン」が毎年発表する“科学者が選ぶ最も美しい顔”で2024年の男優トップに選ばれるなど、人気が過熱気味のテイラー=ジョンソン。今後も、吸血鬼を描いたゴシックホラー古典のリメイク『ノスフェラトゥ(原題)』がアメリカで年末に公開され、『28日後...』(02)、『28週後...』(07)に続く終末パニックシリーズの新作『28年後...』(25年公開予定)も控えるなど話題作が途切れない。この勢いが次のジェームズ・ボンドにつながっていくのか?アーロン・テイラー=ジョンソンへの注目度がますます上昇するのは間違いなさそうだ。
文/斉藤博昭