別れた恋人に想いを馳せる『366日』や顔も知らない相手との恋模様を描く『大きな玉ねぎの下で』など、名曲から生まれたラブストーリーたち
結成25周年を迎えるバンド、HYが2008年にリリースした同名曲がモチーフの『366日』が1月10日に公開を迎えたほか、2月7日(金)にはサンプラザ中野くんがボーカルを務める爆風スランプの名曲を基にした『大きな玉ねぎの下で』が控えるなど、アーティストの楽曲から着想を得て生まれたラブストーリーの公開が続く。時を超え愛され続ける曲からはどのような物語が紡がれるのか?本稿では、誰もが知る名曲にインスパイアされて生まれた作品を紹介していく。
文字だけのやり取りで紡がれる恋『大きな玉ねぎの下で』
1985年にリリースされた、爆風スランプの同名曲にインスパイアされた『大きな玉ねぎの下で』。連絡用のバイトノートでつながった丈流(神尾楓珠)と美優(桜田ひより)。互いの素性を知らぬまま交流を重ねる2人は、悩みや趣味を打ち明けるうちに、しだいに心惹かれていくように。そして共通のアーティストの武道館公演が開催されることを知った丈流は、美優と”大きな玉ねぎの下=武道館”で初めて会う約束をする。リアルタイムでの交流や、遠く離れた人とつながることが容易になった現在、顔や正体がわからないからこそ伝えることのできる本音や思いがあることを気付かせてくれるラブストーリーとなっている。
運命の糸によって何度もめぐり逢う…『糸』
平成史と共に紡がれる平成元年生まれの2人の恋を描く『糸』(20)は、1998年にリリースされた中島みゆきの「糸」から着想を得て生まれた。菅田将暉と小松菜奈がW主演し、出会いと別れを繰り返す蓮(菅田)と葵(小松)の18年間を、リーマンショックや東日本大震災といった出来事に重ねながら描きだす。人々の出会いを“糸”に例える「糸」をはじめ、「ファイト!」や「時代」など多くの人に愛される中島の名曲が劇中のシーンを彩る。特に、蓮の背中を押すこととなる「ファイト!」は、それぞれ同曲を歌う榮倉奈々と成田凌演じる登場人物と蓮の関係性を感じられる一曲となっている。
“初恋”の記憶をたどる物語「First Love 初恋」
1999年に発売された「First Love」、その19年後となる2018年に発表された「初恋」の宇多田ヒカルによる2曲にインスパイアされたNetflixオリジナルドラマ「First Love 初恋」。満島ひかりと佐藤健がW主演を務め、3つの時代を交錯させながら一組の男女の20年以上にもわたる物語を描きだす。1990年代後半の北海道で、高校生の也英は晴道と出会い、恋に落ちる。しかし、也英が不慮の事故に巻き込まれたことをきっかけに2人は別々の道を歩んでいく…。「First Love」「初恋」の歌詞とシンクロするように紡がれる也英と晴道の物語に胸を打たれるはず。