廃墟となった精神病棟、霊の笑い声響くホテル、壁一面遺骨の地下墓地…映画の舞台になった世界の心霊スポット7選
アメリカで最も呪われた幽霊屋敷、ウィンチェスター・ミステリー・ハウス(アメリカ)
アメリカ・カリフォルニア州サンノゼに存在し、世界中からミステリーファンが訪れる観光名所となっている心霊スポットがウィンチェスター・ミステリー・ハウス。
ウィンチェスター銃のビジネスで財を成したものの、娘、義父、夫を立て続けに亡くした未亡人サラが、“銃で命を奪われた人たちの怨霊”から逃れるため約40年にわたって建物の増築を続け、部屋は160にもおよぶという、見た目も異様な大豪邸だ。
そんな逸話を基にしたスピエリッグ兄弟の『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』(18)は、ヘレン・ミレン扮する主人公のサラが数々の怪奇現象に見舞われる様子を描き、建物の特徴を再現した大型セットによる見応えのある心霊描写を楽しむことができる。
あの名作のモデルとなったスタンリーホテル(アメリカ)
コロラド州にいまも存在するスタンリーホテルは、1909年に金持ちのために建てられたラグジュアリーなホテルで、宿泊客からはあらゆるところから笑い声やピアノの音が聞こえてくるという体験談が後を絶たない、全米屈指の心霊スポットとして知られている。
このホテルでもとりわけ“出る”と有名な217号室に泊まったスティーヴン・キングが、部屋での体験に着想を得て執筆したのが、冬の間ホテルにこもって執筆活動を行う作家が狂気に駆られる様子を描いた「シャイニング」。作中では”オーバールックホテル”と名を変え、部屋の番号も237号室に変えられている。
スタンリー・キューブリック監督による映画版『シャイニング』(80)では、米オレゴン州に実在するティンバーライン・ロッジを外観のモデルとしたが、キング自らが製作・脚本を務め映像化したドラマ版ではスタンリーホテルが実際に撮影に使われている。
なおスタンリーホテルには、上映施設やホラー作品にまつわるミュージアムなどで構成されるスタンレー・フィルム・センターが2026年にオープン予定。ブラムハウスが展示のキュレーションを手掛けるというから気になるところだ。
無数のドールが吊るされた“人形島”ラ・イスラ・デ・ラ・ムネカス(メキシコ)
メキシコシティ郊外のソチミルコ地区の運河に存在するラ・イスラ・デ・ラ・ムネカスは、“人形島”という異名の通り、島中の木に赤ん坊の人形がくくりつけられた、見るからに異様なオーラを放っているスポット。
これらの人形は、サンタナ・バレッラという男が溺死した女の子を供養するために50年近くもの間、流れてくる人形を集めては吊るしたものだそう。しかし、バレッラ本人もその後女の子が死んだ場所で遺体として発見されたという噂もあり、上述したコンジアム精神病院と同じ”世界七大禁断の地”に選ばれている。
この場所を扱った映画が、メキシコの8人の監督によるオムニバホラーアンソロジー『メキシコ・オブ・デス』(14)。その一篇「人形」は、この島を舞台に食人鬼による観光客をねらった惨劇が繰り広げられるという内容となっている。