ポール・ニューマン生誕100周年!ハンサムだが人間くさい、唯一無二の魅力が味わえる名作たち

コラム

ポール・ニューマン生誕100周年!ハンサムだが人間くさい、唯一無二の魅力が味わえる名作たち

今年2025年は、映画史に燦然と輝く名優ポール・ニューマンの生誕100周年イヤーであり、1月26日にちょうど誕生から100年を迎える。圧倒的な存在感を発揮してきたニューマンの魅力を、代表作と共に紹介していきたい。

勝負にこだわる泥臭さがたまらない『ハスラー』

【写真を見る】生誕100周年を迎えたポール・ニューマンの燦然と輝く名作たち(『ハスラー』)
【写真を見る】生誕100周年を迎えたポール・ニューマンの燦然と輝く名作たち(『ハスラー』)TM & Copyright [c] 20th Century Fox Film Corp. All rights reserved.

青く美しい瞳をしたハンサムなルックスと品のあるたたずまいを持つニューマンだが、そんなスマートなイメージと裏腹に実は苦労人。キャリア初期はジェームズ・ディーンやマーロン・ブランドといった同世代組が順調なキャリアを送るのに対し、オーディションに落ち続け、一時はテレビに活動の場を移すなど不遇の時代を過ごしてきた。

そんなどん底から這い上がった不屈の男ニューマンは、不良から世界チャンプにまで上り詰めた実在のボクサーを演じた『傷だらけの栄光』(56)をはじめ、数々の作品で泥くさい姿を披露してきた。

ギャンブル狂いのしょうもなくも気骨のある男ぶりがハマっている(『ハスラー』)
ギャンブル狂いのしょうもなくも気骨のある男ぶりがハマっている(『ハスラー』)TM & Copyright [c] 20th Century Fox Film Corp. All rights reserved.

15年間ビリヤードで負けなしという地元の大物ミネソタ・ファッツに挑む男の戦いを描いた『ハスラー』(61)で演じたエディは、恋人の財布から金をくすねてまで賭けビリヤードに傾倒するダメ男。勝負にこだわりすぎるあまり引き際を逸し大金を失うなどどこまでも情けない。

しかし、ショッキングな出来事に見舞われても、ビリヤードにすべてを懸け、何度でもファッツに挑戦していく気骨があり、そんな男の生き様をニューマンは無骨に表現。伝説のプロハスラー、ウィリー・モスコーニが指導した見事なビリヤードシーンまで、キャラクターになりきってみせた。

歳をとってもカッコいい(『ハスラー2』)
歳をとってもカッコいい(『ハスラー2』)[c]Touchstone Pictures/Courtesy Everett Collection

トム・クルーズとの師弟関係を演じた(『ハスラー2』)
トム・クルーズとの師弟関係を演じた(『ハスラー2』)[c]Touchstone Pictures/Courtesy Everett Collection

25年越しの続編『ハスラー2』(86)では、賭けビリヤードから足を洗っていたものの、かつての自分を思わせる若者ヴィンセント(トム・クルーズ)と師弟関係になっていく様を演じ、ビリヤードへの情熱を取り戻す一方、中年となり老いを実感するエディを感情豊かに表現。7度目のノミネートにしてついにアカデミー賞主演男優賞を受賞した。

反体制のアウトローに扮した『暴力脱獄』

『暴力脱獄』ではカリスマを放つアウトローに
『暴力脱獄』ではカリスマを放つアウトローに[c]Everett Collection/AFLO

暴力脱獄』(67)も同様に、人間くさい魅力が味わえる1作だ。本作で演じたのは、酒に酔ってパーキングメーターを壊したことで刑務所送りになる情けない男ルーク。反抗的な態度が災いし囚人たちのボスと戦うことになるが、何度でも立ち上がるタフな姿で一目を置かれる存在になっていく。

伝説のゆで卵食いシーンはどこか間抜けでチャーミングだ(『暴力脱獄』)
伝説のゆで卵食いシーンはどこか間抜けでチャーミングだ(『暴力脱獄』)[c]Everett Collection/AFLO

一見くだらないゆで卵50個食いにも全力で挑むなど、非人道的な刑務所暮らしでも腐らず、脱獄を繰り返し試みる諦めの悪いキャラクターを体現。泥くささのなかにもカリスマを感じさせる姿がなんともたまらない。


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