全国で満席続出!初週に拡大公開、パンフ増刷が決定した『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』って?

全国で満席続出!初週に拡大公開、パンフ増刷が決定した『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』って?

「第2回日本ホラー映画大賞」で大賞を受賞した同名短編を、近藤亮太監督が自ら長編化し商業映画監督デビューを果たしたJホラー『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』(公開中)。1月24日に公開初日を迎えたばかりだが、今週末より異例の速さで拡大公開が決定するなど話題となっている。さらに劇場用パンフレットも品切れ続出につき増刷されるなど、注目が高まっている本作の熱狂的に支持されているポイントを、SNSの声を拾いながら簡単にまとめていこう。

まさに“Jホラーの申し子”。近藤亮太監督に熱視線!

ノーCG、ノー特殊メイク、ノージャンプスケアで描かれる真の恐怖とは…
ノーCG、ノー特殊メイク、ノージャンプスケアで描かれる真の恐怖とは…[c]2024「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会

物語は、幼いころに弟が山で失踪するという過去を持つ兒玉敬太(杉田雷麟)のもとに、母親から一本の古いビデオテープが届くところから始まる。そこには敬太が撮影した、弟が失踪する瞬間が収められていた。霊感を持つ同居人の司(平井亜門)から深入りしないよう助言される敬太だったが、自分についてまわる忌まわしい過去を辿るべく動きだすことに。そして、そんな敬太を取材対象として追いかけていた新聞記者の美琴(森田想)も帯同し、3人は“山”へと誘われていく。

本作が熱狂を巻き起こしている大きな理由は「近年にない正統派のJホラーに仕上がっている」、という評判が広がっていることだ。SNS上では「ひたすら不気味で釘付けになってしまった」「期待を超える力作にして、ここ数年の日本のホラー映画のなかでは抜きん出た秀作」と絶賛の声が相次いでいるが、それもそのはず。近藤監督は幼少期よりホラーに傾倒し、ホラー映画を撮る夢を叶えるために仕事を辞めて北海道より上京。映画美学校で『リング』(98)の脚本で知られる高橋洋に師事したという本格派。本作制作にあたっては「呪怨」シリーズの清水崇監督が総合プロデュースを買って出るなど、まさに“Jホラーの申し子”とでも言うべきプロフィールの持ち主なのだ。

本作が商業映画監督デビュー作となる近藤亮太監督
本作が商業映画監督デビュー作となる近藤亮太監督[c]2024「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会

2024年には、商業映画監督デビュー前にもかかわらずテレビ東京の「TXQ FICTION」の「イシナガキクエを探しています」「飯沼一家に謝罪します」に演出として参加するなど、近藤監督の演出力の高さは折り紙付き。SNSで近藤監督がふと発信した“ノーCG、ノー特殊メイク、ノージャンプスケア”という3つの“ノー”は、本作を特徴づけるキーワードとして広く拡散されている。また、「Filmarks」では初日満足度ランキングの1位を獲得するなど、単に怖いだけではなく、映画としての完成度が高いのも話題となっている理由だ。

公開初日は平日にもかかわらず、都内はもちろん横浜、大阪、札幌などでも満席となる回が続出した。舞台挨拶がない通常の上映回の売れ行きも凄まじく、週末3日間も20代や30代を中心に幅広い層のホラー映画ファンが駆けつけ、全国各地の上映劇場で完売を記録。この好評を受け、初週に異例の拡大公開が決定しており、あす31日(金)からは、イオンシネマ板橋、T・ジョイPRINCE品川、イオンシネマむさし村山、イオンシネマ座間、ミッドランドシネマ名古屋空港、イオンシネマ草津、イオンシネマ シアタス心斎橋、イオンシネマ茨木、イオンシネマ和歌山、イオンシネマ広島と一挙10館で公開がスタート、2月1日(土)からはシネマスコーレでも上映が開始される。

入場者特典と“角川ホラー文庫”風パンフレットが、大きな話題に

持ってみても、まんま「角川ホラー文庫」のようなパンフレット
持ってみても、まんま「角川ホラー文庫」のようなパンフレット[c]2024「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会

公開2週間前に発表され話題を集めた、ホラー作家の背筋による劇場入場者特典冊子のスピンオフ書き下ろし短編小説「未必の故意」も動員を大きく後押ししたポイントだ。「近畿地方のある場所について」などで知られる背筋による「未必の故意」は、誰しもに“あったかもしれない物語”として、本編とのシンクロにより体温がさらに下がっていく感覚を味わえるようなホラー短編となっている。

上映劇場にて販売中の劇場用パンフレットは、近藤監督が慣れ親しんだ「角川ホラー文庫」にオマージュを捧げた、パンフとしては異例の文庫本サイズ・体裁となっており、近藤監督の全面監修のもと表紙カバーから中面の細部にまでこだわりが詰め込まれたデザインに。

中面も文庫らしく、文字がギッシリ!
中面も文庫らしく、文字がギッシリ![c]2024「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会

パンフの総ページ数は120ページにもおよび、内容も読み応え満点。恐怖小説愛好家でもある近藤監督が自ら約1万字もの手記を執筆しているのをはじめ、杉田や平井、森田、藤井隆らメインキャストに加え、総合プロデュースの清水監督や脚本を担当した金子鈴幸のインタビューもたっぷりと収録。近藤監督の師である高橋洋と、怪奇幻想ライターの朝宮運河による作品解説も見逃せない。さらに背筋がパンフレットのために書き下ろした短編小説「捨ててもいい場所」も収録。映画本編のみならず入場者特典の「未必の故意」ともリンクした内容で、本編鑑賞後には「未必の故意」とあわせて読んでいただきたい。

この劇場用パンフレットは、最速で2日目にして完売する劇場が出るなど品切れが相次いでいるが、買えなかった方もご安心を。緊急増刷が進行しており、数量限定ではあるものの、そう遠くないうちに全国の上映館に再び在庫が補充される予定とのことだ。買えなかった方もどうか高額転売などに手を出さず、お近くの上映館の公式サイト・SNSや、作品公式Xの入荷情報をこまめにチェックしてほしい。

大森時生、梨、高橋洋、西井紘輝、金子鈴幸、くるむあくむ…イベントゲストも豪華!

大森時生、梨、高橋洋らが近藤亮太監督とトークセッション!Jホラーの魅力を語り尽くす
大森時生、梨、高橋洋らが近藤亮太監督とトークセッション!Jホラーの魅力を語り尽くす[c]2024「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会

こうした反響を受け、今週末からは映画本編上映と共に、近藤監督がホストとしてホラーを愛する人気クリエイターらをゲストに迎えてJホラーの魅力を対談で語り尽くすトークイベント「もっとJホラーを楽しもう!トークセッション」の開催が決定。

1月31日(金)は、テアトル新宿の20:30の回にテレビ東京プロデューサーの大森時生が登壇。「イシナガキクエ」「飯沼一家」、そして「行方不明展」を共に手掛けたコンビによる、ここでしか聞けないトークに期待が高まる。2月1日(土)には、ヒューマントラストシネマ渋谷の14:00の回に人気作家の梨が登壇。映画のトークショーのみならず、公の場に姿を現すこと自体がレアな梨のトーク内容に注目したい。続くグランドシネマサンシャイン池袋の16:00の回には高橋洋が登壇し、近藤監督と共に100名限定のパンフサイン会も開催することとなっている。いずれの上映会もチケット発売中だが、残席わずかとなっている回もあり、是非お早めにチェックしてほしい。

本作とコラボした「PRESS HORROR T-shirts」は、ヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル新宿、グランドシネマサンシャイン 池袋のほか、オンラインストア「MOVIE WALKER STORE」で販売 ※すでに在庫切れのサイズ・販売場所もございます。
本作とコラボした「PRESS HORROR T-shirts」は、ヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル新宿、グランドシネマサンシャイン 池袋のほか、オンラインストア「MOVIE WALKER STORE」で販売 ※すでに在庫切れのサイズ・販売場所もございます。[c]2024「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会

2月7日(金)、8日(土)は「フィルムエストTV」のにしい監督こと映像作家の西井紘輝、本作の脚本を務めた金子鈴幸、作家のくるむあくむという、こちらも豪華な布陣を迎えてのトークセッションが予定されており、続報に注目したい。

初日舞台挨拶の最後には、主演の杉田が満席及び拡大公開決定の報に触れて「初めてのホラー出演作が本作で良かったと思うくらい大好きな作品。これで終わりにしたくないので、近藤監督には『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ2』を撮っていただきたいです!」とラブコールするなど、まさかの続編も期待できそうなムーブメントになりつつある本作。是非ともこの機会に劇場に足を運び、“ノーCG、ノー特殊メイク、ノージャンプスケア”で真の恐怖を体感できる正統派Jホラーの怖さを、その目で確かめてほしい!

『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』は公開中
『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』は公開中[c]2024「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」製作委員会


文/久保田 和馬

もっとJホラーを楽しもう!トークセッション
チケット販売中
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⚫︎1月31日(金)
[ 場所 ] テアトル新宿
[ 時間 ] 20:30の回
[ 登壇 ] 大森時生 (テレビ東京プロデューサー)
近藤亮太 監督
▶︎https://ttcg.jp/theatre_shinjuku/

⚫︎2月1日(土)
[ 場所 ] ヒューマントラストシネマ渋谷
[ 時間 ] 14:00の回
[ 登壇 ] 梨 さん(作家)
近藤亮太 監督
▶︎https://ttcg.jp/human_shibuya/

[ 場所 ] グランドシネマサンシャイン 池袋
[ 時間 ] 16:00の回
[ 登壇 ] 高橋洋 さん(脚本家/映画監督)
近藤亮太 監督
▶︎https://www.cinemasunshine.co.jp/theater/gdcs/

詳細はこちら
https://mcv-movie.jp/event/index.html

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