【ミニシアターランキング】熱狂的ファンを誇る人形演劇『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 最終章』が1位!2月21日~2月23日の成績を紹介

【ミニシアターランキング】熱狂的ファンを誇る人形演劇『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 最終章』が1位!2月21日~2月23日の成績を紹介

2月21日から2月23日までのミニシアターランキング(公開30館以下スタートの作品が対象)が興行通信社から発表された。今週は新作3本が飛び込んできて、順位に大きな変動が。堂々の1位を幅広いファンがいる人形演劇『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 最終章』(公開中)が奪取!前回予想した通り、空前のホラー映画ブームの波にのって、最恐のイマジネーション・ホラー『SKINAMARINK/スキナマリンク』(公開中)が2位に飛び込んだ。だが、今回最も注目すべきは上映時間わずか24分の中国のショートムービー『銀幕の友』(公開中)が多くの人気作を抑えて4位に食い込んだことだろう。さらに、サスペンス・スリラーというジャンルムービーの枠組みを超え、多くの人が関心を寄せている『聖なるイチジクの種』(公開中)が2つ順位を落としながらも3位と大健闘。先週公開3週目で3位にランクインした『104歳、哲代さんのひとり暮らし』(公開中)が5位に残っているのも、噂を聞きつけた多くの観客が映画館に足を運んでいることの証だけに見逃せない。

【ミニシアターランキングトップ5】(2月21日~2月23日)

1位『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 最終章』(NEW)

2位『SKINAMARINK/スキナマリンク』(NEW)

3位『聖なるイチジクの種』(先週1位↓)

4位『銀幕の友』(NEW)

5位『104歳、哲代さんのひとり暮らし』(先週3位↓)

1位の『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 最終章』は台湾の大ヒット人形演劇「布袋劇」に魅せられたテレビアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」などの人気シナリオライター、虚淵玄が原案・脚本・総監修を担当し、台湾布袋劇随一の知名度とクオリティを誇る制作会社、霹靂との奇跡のコラボで放った人気武侠ファンタジー人形劇シリーズ4期の最終話となる劇場版。魔界の軍勢を迎え撃つ人間たちの最後の戦い描くグランドフィナーレとあって、シリーズを1期から観続け、その結末を大きなスクリーンで見届けたい大勢のファンが映画館に詰めかけたと思われる。

【写真を見る】悪夢の中を彷徨うような映像が恐怖をそそる…『SKINAMARINK/スキナマリンク』が2位スタート
【写真を見る】悪夢の中を彷徨うような映像が恐怖をそそる…『SKINAMARINK/スキナマリンク』が2位スタート[c] MMXXII Kyle Edward Ball All Rights Reserved

2位の『SKINAMARINK/スキナマリンク』は、人々の悪夢を再現した短編映像をYouTubeに投稿して注目を集めたカナダの新鋭映像作家カイル・エドワード・ボールの長編デビュー作。制作費1万5000ドルの低予算映画ながら北米692館で公開され、興収約200万ドルの大ヒットを記録した本作は、現実と悪夢を彷徨うような実験的な映像とミニマリスティックな演出で観客を恐怖のどん底に引きずり込む。ネット上でも「史上最も恐ろしい映画」「本能的な恐怖を思いだす」といった刺激的なコメントが踊っていただけに、未曾有の恐怖を全身で体感したい日本のホラー映画ファンも公開を待ち望んでいたに違いない。それが2位というランキングに表れているが、その恐怖が『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(98)や『パラノーマル・アクティビティ』(07)に匹敵したり、凌駕するものとして受け止められたか否かで来週以降の順位は変わってくるはずだ。

第4位にランクインした『銀幕の友』にも注目!
第4位にランクインした『銀幕の友』にも注目!

そして、注目すべきは第4位の『銀幕の友』。中国のインディペンデント映画祭「西寧FIRST青年映画祭」とシャネルの特別プログラム「FIRST FRAME」のコラボで制作された本作は、2016年の『八月』で第53回金馬奨で最優秀作品賞に輝いたチャン・ダーレイ監督が、1990年に北京で開催されたアジア競技大会閉幕日翌日の田舎町を舞台に、映画製作会社で働く女性とその町に友だちを訪ねてやってきた詩人とのささやかな触れ合いを描きだす。懐かしい風景と地元の人たちが集まってくる映画上映会。そこに映しだされる『大人は判ってくれない』(59)……そんなどこか心癒される内容、『無名』(23)、『FPU 〜若き勇者たち〜』(24)などの中国の人気若手俳優ワン・イーボーと岩井俊二監督の『チィファの手紙』(18)にも出演したジョウ・シュンのW主演が、出会ったことのない良作を求める熱心な映画ファンのアンテナに引っかかったのではないだろうか。

続いて、今週末に公開予定のミニシアター映画をピックアップ!2月28日(金)から『新しき世界』(13)、『アシュラ』(16)などで知られる韓国の制作会社が放つ究極のリベンジ・ノワール『リボルバー』が公開。警察内の汚職スキャンダルに巻き込まれたヒロインの孤独な復讐劇が、誰が敵で誰が味方なのかわからない緊迫感あふれるスリリングな設定で描かれるというから期待したい。さらに、同日には中国湖南省で生きる望まぬ妊娠をした一人の女性を主人公に、現代を生きるすべての女性が抱える問題に警鐘を鳴らす注目作『石門』も登場!この2作が来週のランキングを大きく揺るがすことになるかもしれない。

公開規模は小さいものの、映画ファンに愛されて続け話題性の高い良質な映画作品を鑑賞できるミニシアターに足を運んでみてはいかがだろうか。ちなみに、現在全興連ミニシアター支援プロジェクト「#ミニシアターへ行こう」では、クラウドファンディングやキャンペーンなどミニシアターを支援する様々な取り組みを実施中!作品を楽しむだけでなく、支援するという方法でミニシアターに触れてみてほしい。


文/イソガイマサト

●全興連ミニシアター支援プロジェクト「#ミニシアターへ行こう」
詳細:https://moviewalker.jp/special/minitheater/

ミニシアター支援プロジェクトに関するお問い合わせ:全興連ミニシアター支援事業運営事務局(株式会社ムービーウォーカー内)minitheater@moviewalker.co.jp

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