アカデミー賞は『ハート・ロッカー』が圧勝!キャスリン・ビグローが女性監督史上初の快挙

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アカデミー賞は『ハート・ロッカー』が圧勝!キャスリン・ビグローが女性監督史上初の快挙

第82回アカデミー賞授賞式が3月7日(日本時間8日)に、ロサンゼルスのコダックシアターで開催された。ジェームズ・キャメロン監督作『アバター』対キャスリン・ビグロー監督作『ハート・ロッカー』と、元夫婦の一騎打ちとされていた今回のアカデミー賞。共に最多9部門にノミネートされていたが、『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグローが女性監督として史上初の監督賞を始め主要部門含めた最多6部門を受賞した。

今回から10作品となった作品賞も『ハート・ロッカー』が受賞し、監督賞、脚本賞、編集賞、録音賞、音響効果賞と見事6冠に輝いた。『アバター』は、撮影賞、美術賞、視覚効果賞の3部門に留まった。8部門にノミネートされていたクエンティン・タランティーノ監督作『イングロリアス・バスターズ』は、クリストフ・ヴァルツの助演男優賞の受賞のみとなった。また、作品賞にノミネートされていた『カールじいさんの空飛ぶ家』は、アニメーション映画賞を受賞した。

主演男優賞は、5度目のノミネート、初受賞となった『クレイジー・ハート』のジェフ・ブリッジスに。主演女優賞は、16度目のノミネートとなった『ジュリー&ジュリア』のメリル・ストリープを抑え、初ノミネートの『しあわせの隠れ場所』のサンドラ・ブロックが初受賞。なんと彼女は『All About Steve』でのラジー賞と合わせて前代未聞のW受賞となった。「本当に私がもらっていいの?」とおちゃめにコメントしていたサンドラが印象的だった。

司会では、映画『恋するベーカリー』でメリル・ストリープと競演したスティーブ・マーティンとアレック・ボールドウィンのコンビが息の合った掛け合いを見せた。「アカデミー賞で、どんなことがあってもノミネートされるのがメリル・ストリープ、でも、最も賞を落としているのもメリル(笑)」といったウィットに富んだトークが炸裂していた。

『ハート・ロッカー』『アバター』と、久しぶりにハリウッドらしい大作が大健闘した第82回アカデミー賞。女性監督初の快挙となった『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグローはもちろん、3D 映画という新しい分野を切り開いたキャメロン監督の功績も大きい。かなり見応えのある授賞式となった。【Movie Walker/山崎伸子】

【第82回アカデミー賞 主要部門受賞結果】■作品賞:『ハート・ロッカー』 ■監督賞:キャスリン・ビグロー『ハート・ロッカー』 ■主演男優賞:ジェフ・ブリッジス『クレイジー・ハート』 ■:主演女優賞 サンドラ・ブロック『しあわせの隠れ場所』 ■助演男優賞:クリストフ・ヴァルツ『イングロリアス・バスターズ』 ■助演女優賞:モニーク『プレシャス』 ■脚本賞:『ハート・ロッカー』 ■脚色賞:『プレシャス』 ■撮影賞:『アバター』 ■編集賞:『ハート・ロッカー』 ■美術賞:『アバター』 ■衣装デザイン賞:『ヴィクトリア女王 世紀の愛』 ■メイキャップ賞:『スター・トレック』 ■視覚効果賞:『アバター』 ■録音賞:『ハート・ロッカー』 ■音響効果賞:『ハート・ロッカー』 ■作曲賞:『カールじいさんの空飛ぶ家』 ■主題歌賞:「The Weary Kind」(『クレイジー・ハート』) ■アニメーション映画賞:『カールじいさんの空飛ぶ家』 ■外国語映画賞:『瞳の奥の秘密』(アルゼンチン) ■ドキュメンタリー映画賞(長編)『ザ・コーヴ』 ■ドキュメンタリー映画賞(短編):『Music by Prudence』 ■短編賞(実写):『The New Tenants』 ■短編賞(アニメーション):『Logorama』

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