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アカデミー賞に突き刺さった初恋の痛み…『君の名前で僕を呼んで』日本オリジナル予告に酔う

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アカデミー賞に突き刺さった初恋の痛み…『君の名前で僕を呼んで』日本オリジナル予告に酔う

第90回アカデミー賞で作品賞をはじめ4部門にノミネートされている『君の名前で僕を呼んで』(4月27日公開)。80年代の北イタリアの避暑地を舞台に、17歳の少年と24歳の青年の淡く切ない恋の痛みと喜びを描いた本作から、日本オリジナルの予告編が解禁された。

昨年のサンダンス国際映画祭でお披露目され注目を集めてから約1年。現在までに世界中の映画賞で64部門に輝き、217ノミネートを獲得。11月に全米公開が始まると、決して大きくない公開規模でありながら、入れ替わりの激しい興行収入ランキングで3か月間にわたりランクインし、勢いが衰えないままアカデミー賞まで駒を進めた。

本作の注目すべきポイントは、舞台となる北イタリアの風景と、名匠ジェームズ・アイヴォリーが執筆したみずみずしい脚本、そして実力派キャストたちが織りなすアンサンブルに他ならない。

アカデミー賞では主人公エリオを演じた新星ティモシー・シャラメが、強力なベテラン俳優がひしめき合う主演男優賞にノミネートされ、受賞の可能性も充分と噂されている。またこれまで監督賞で3度ノミネートされているアイヴォリーは初めて脚色賞にノミネート。史上最高齢での受賞が期待されている。

そんな本作でメガホンをとったのは『ミラノ、愛に生きる』(09)などで知られるイタリア出身のルカ・グァダニーノ。登場人物の繊細な心理を美しい映像の中で描き出すことに長けた彼の手腕が、本作でも余すところなく発揮されているのだ。

このたび完成した日本オリジナルの予告編はシャラメ演じるエリオと、アーミー・ハマー演じるオリヴァーの出会いから幕をあける。驚異的な美的センスが現れていた海外版オリジナル予告編の良さを生かしながら、感情の動きや演じる俳優たちの魅力をプラスした仕上がりになっている。

見事なシナリオと演出、そして俳優たちの見事な演技に導かれ、誰もが経験したことのある恋の痛みと喜びを思い出させてくれる本作。その美しい映像とともに劇場のスクリーンで堪能していただきたい。

文/久保田和馬

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