吉永小百合、記念すべき120本目の出演映画の初日に満面の笑顔!「映画は私にとっての“子ども”です」

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吉永小百合、記念すべき120本目の出演映画の初日に満面の笑顔!「映画は私にとっての“子ども”です」

『北の零年』(05)『北のカナリアたち』(12)につづく“北の三部作”の最終章にして吉永小百合の120本目の出演映画となる『北の桜守』が10日、公開初日を迎え東京・丸の内TOEI1で公開初日舞台挨拶が開催。吉永を筆頭に堺雅人、篠原涼子、岸部一徳、阿部寛、佐藤浩市、滝田洋二郎監督が登壇した。

本作は戦後まもない1945年と高度経済成長最盛期の1970年代初頭、ふたつの激動の時代を舞台にした母と息子の物語。ソ連軍の侵攻から命からがら北海道に脱出し、寒さと貧しさの中で息子たちを守り続ける主人公・江蓮てつ。時が流れ、成長した次男・修二郎は外国で成功者となり、網走にひとりで暮らすてつのもとを訪ねる。年老いたてつのおかしな様子に不安を感じた修二郎は、てつを引き取ることを決める。

初出演映画『朝を呼ぶ口笛』(59)から59年。120本という節目を飾る本作について「滝田監督のもとで、キャスト・スタッフの方たちと心を込めて作りました」と語る吉永。「いかがだったですか?」と会場に詰めかけた長年のファンに向けて語りかけると、とてつもなく大きな喝采が巻きあがった。

一方『おくりびと』(08)で日本映画界に初めてアカデミー賞外国語映画賞をもたらした滝田は「吉永さんは劇中で描かれる時代に『いつでも夢を』の歌で私たちに特別な想いを残してくれましたが、今でもスクリーンの中から様々な演技で“いつでも夢を”と語っておられる気がします」と、日本映画界を代表する大女優の好演に賛辞を表明。

また、親子愛がテーマとなる本作で吉永の息子を演じた堺は「親子にはいろんな形があるんだなと感じました」と述懐し「吉永さんはいろんな顔をなさって、ひと時も同じようなところがなく、見つめ合うだけで引き込まれてしまう。親子と考えない方がいろんな関係が出せるかなと思って演じました」と明かす。すると吉永は照れた表情を浮かべながら「逆ですよ、私が堺さんの演技に見とれておりました」と奥ゆかしいコメントを披露した。

『キューポラのある街』(62)をはじめとした60年代の日活映画、また国民的シリーズの9作目『男はつらいよ 柴又慕情』(72)や『時雨の記』(98)など数多くの名作映画に出演してきた吉永。“映画”とはどういう存在か?と訊ねられ「むずかしいですねえ…」と考え込む吉永。

そして「子ども、ですね」と表現。「今日も受験生の母になったようで、作品がどのように受け止めていただけるのか心配で眠れませんでした」と明かす。さらに「子どもだと思って1本1本を大事にしていきたいと思っております」と、今後も映画女優としての道を貫き、また次の作品へと邁進していく意欲をうかがわせた。

取材・文/久保田 和馬

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