是枝裕和&濱口竜介が、世界的名匠たちと競い合う!第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品決定
現地時間5月8日(火)より開催される世界三大映画祭のひとつ、第71回カンヌ国際映画祭のラインナップが発表され、最高賞「パルムドール」を競うコンペティション部門に日本から2作品が出品されることが明らかになった。
まず同映画祭コンペティション部門に5度目の出品となる是枝裕和監督の最新作『万引き家族』(6月8日公開)。東京の片隅で、軽犯罪で生計を立てていく家族の姿を、リリー・フランキーや安藤サクラ、松岡茉優らの共演で描いたヒューマンドラマだ。
是枝は『そして父になる』(13)で第66回審査員賞を受賞しているほか、第57回には『誰も知らない』(04)で柳楽優弥に史上最年少の男優賞をもたらしており、カンヌとの相性は抜群。第68回の『海街diary』(15)以来となるコンペティション部門への挑戦で、悲願のパルムドールを狙う。
そして『ハッピーアワー』(15)で第68回ロカルノ映画祭をはじめ、世界中の映画祭で大絶賛を浴びた濱口竜介監督の最新作『寝ても覚めても』(9月1日公開)も選出。同作は芥川賞作家・柴崎友香の同名小説を原作に、同じ顔を持つ2人の男の間で揺れ動く女性を描き出す。東出昌大が一人二役に挑み、ヒロインの朝子を唐田えりかが演じることでも話題の一本だ。
初の三大映画祭出品でありながらコンペティション部門に選ばれるという快挙を成し遂げた濱口は「歴史ある映画祭に選ばれてとても光栄です。東出さんと唐田さんらの演技が国際的な舞台へ届いたことを心から嬉しく思います」とコメント。
昨年は初めてのコンペティション部門挑戦となったリューベン・オストルンド監督の『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(4月28日公開)がパルムドールに輝いているだけに、初挑戦でも何らかの賞を受賞する可能性は充分。映画祭常連監督や世界的巨匠たちの中で、日本を代表する新進気鋭監督が存在感を発揮してくれることだろう。
今年コンペティション部門に出品されたのは計18作品。同部門に日本映画が複数本選出されるのは第66回以来5年ぶりのこと。また、これまで日本映画では黒澤明監督の『影武者』(80)、今村昌平監督の『楢山節考』(83)『うなぎ』(97)がパルムドールを受賞している。21年ぶりの快挙に大いに期待したい。
文/久保田 和馬