50年代英国ファッションを完全再現！オスカー受賞デザイナーによる華麗なるドレス【写真20点】

ポール・トーマス・アンダーソン監督とアカデミー賞主演男優賞を3度受賞している名優ダニエル・デイ＝ルイスが『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(07)以来となるタッグを組んだ『ファントム・スレッド』が、5月26日(土)より公開される。1950年代の英国ファッション界を舞台にした本作、今回は物語の“主役”ともいうべき美しき衣装たちに注目したい。

50着以上の衣装をイチから手作り！

天才的なオートクチュールの仕立て屋、レイノルズ・ウッドコック(デイ＝ルイス)と、彼に見初められた元ウェイトレスのアルマ(ヴィッキー・クリープス)が織りなす、危険な愛の駆け引きを描いたラブストーリー。劇中には豪華絢爛なドレスが数多く登場するが、なんと本作のために50点以上もの衣装を、イチから作り上げたというのだから驚かされる。

しかもこれらのドレス、当時のニュース映像や「ハーパーズ バザー」、「ヴォーグ」といったファッション誌のバックナンバー、さらに世界中から集められたヴィンテージの洋服から、1950年代のデザインを研究し直し、ロンドン中の職人の手で制作。主人公のスーツも、創業100年以上の由緒あるテーラーに依頼したというこだわりっぷりだ。

1700年代の生地も…！驚きの”こだわり”でアカデミー賞を獲得！

これらの衣装デザインを担当しているのが、96年の『ハードエイト』を皮切りに、本作を含むアンダーソン監督の長編全8本の衣装デザインを手がけている盟友マーク・ブリッジス。数百メートル分もの記事を使用した衣装作りについて「とても大変な作業だった」と語っている彼だが、特に衣装の一部に使用されている17世紀のレースを裁断する時は、心臓が止まった気がしたというほど緊張したそうだ。

そんなこだわりにこだわりを重ねた姿勢は実を結び、ブリッジスは『ファントム・スレッド』では『アーティスト』(11)に続いて、見事2度目となるアカデミー賞衣装デザイン賞を受賞している。