リドリー・スコット監督を脅迫!?イタリアの凶悪マフィア“ンドランゲタ”って?
大富豪ジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐されるという事件を巨匠リドリー・スコット監督が映画化した『ゲティ家の身代金』(公開中)。ゲティが身代金の支払いを拒否したこともあり、世界的に話題を集めたこの誘拐事件。引き起こしたのはイタリアのマフィア“ンドランゲタ”だが、この組織がとんでもなく恐ろしかった!
マフィアとはイタリア・シチリア島を起源とする犯罪組織のこと。ンドランゲタはカラブリア諸島を拠点に、世界30か国に400以上の支部を持ち、6万人(!)にも及ぶ人間が関わっていると言われている超巨大組織。“コーサ・ノストラ”、“カモッラ”、“サクラ・コローナ・ウニータ”と並ぶイタリア4大マフィアの1つとしても知られている。
彼らの資金源は、麻薬密輸、放射性廃棄物や有害廃棄物の不法投棄、ゆすり・高利貸し、横領、賭博などありとあらゆる犯罪行為。1970~80年代にかけては、誘拐ビジネスで規模を拡大したと言われており、本作で描かれるジョン・ポール・ゲティ三世誘拐事件もそのうちの1つに相当する。そんな彼らの収益はなんとイタリアのGDPの約3パーセント(7兆円以上)!ゲティの総資産である50億ドル(約1.4兆円)も、一部の活動のみで1年間かからずに稼いでしまうというから末恐ろしい…。
しかしンドランゲタの真に恐ろしい点は、これだけ犯罪に手を染めていながら、取り締まれずに野放し状態にあるということだ。莫大の金を動かすことに加え、警察などの公的組織にもメンバーがおり、その影響力の強さから国も簡単には取り締まることができないのだそう。実際ジョン・ポール・ゲティ三世誘拐事件の犯人も未だに捕まっていないという。
本作を映画化するにあたり、リドリー・スコット監督の元には、なんとンドランゲタから脅迫状が届いたエピソードもあるというから驚きだ。そんな恐ろしすぎる組織に対し、支払い拒否を突き付けたゲティ。果たして誘拐の行方は…!?
文/トライワークス