『万引き家族』観客動員数100万人を達成!リリー・フランキー「大ヒットは意外」
第71回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝いた『万引き家族』(公開中)の大ヒット御礼舞台挨拶が6月14日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、リリー・フランキー、高良健吾、山田裕貴、城桧吏、佐々木みゆ、是枝裕和監督が登壇。リリーが大ヒットについて「意外」と驚いた。
本作は、東京の下町を舞台に、犯罪でしかつながれなかった一家の姿を通して人と人の絆を描く人間ドラマ。日本人監督としては今村昌平監督の『うなぎ』(97)以来、21年ぶりにカンヌ国際映画祭のパルムドールに輝く快挙を成し遂げた。早くも興行収入が10億円を超える大ヒットとなっている。
司会から、6月14日に観客動員数100万人を達成したことが会場に伝えられ、大きな拍手に迎えられて現れた登壇者陣。リリーは「こんな形で壇上に立てるというのが意外」と素直な一言。「監督がパルムドールをいただくことは全然、意外じゃなかったけれど、大ヒットのほうは意外。想像できなかったことが起きてうれしいかぎり」と大ヒットへの驚きとともに、喜びを噛み締めていた。
是枝監督は「(映画を)つくっている時は、リリーさんとも『小さく産んで、細く長く観てもらえるものになるといいね』という話をしていた」と述懐。「こんなに突然、大きく成長してしまうとは思っていなかったので、うれしいやら、ちょっと戸惑っているやら、不思議な気持ち」と素直な胸の内を語っていた。
また6月17日が父の日とあって、子役の城と佐々木が、リリーにプレゼントを贈るひと幕も。城からは手紙のプレゼント。城が「もう一人の優しいお父さんができたみたいで、いつも現場に行くのが楽しみでした」「リリーさんのような、おしゃれで優しくて、おもしろくて演技の上手な俳優さんになることが、僕の夢です。リリーお父さん大好きです」と読み上げると、リリーは「ジーンときましたね」としみじみ。
佐々木からは劇中の家族を描いた絵が贈られ、佐々木が「リリーさんにもらったペンで描いた」と言うと、リリーは「すごい上手」と笑顔。リリーが城と佐々木にコソコソと耳打ちして笑わせたりと、終始、親子のようなやり取りを見せていた3人。最後にはリリーに促された城が「縁もたけなわプリンスホテルでございます。人生には大切な袋が3つあります」と挨拶するなど、仲睦まじい姿に会場も大盛り上がりだった。
取材・文/成田 おり枝