「この世界の片隅に」主演でブレイク必至の松本穂香「役のイメージを固めたくない」
「意識高すぎ!高杉くん」のフレーズでおなじみのauのCMで「あの子は誰!?」とネットを中心に話題を集め、7月からスタートするTVドラマ・日曜劇場「この世界の片隅に」では主人公に抜擢されるなど、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの女優・松本穂香。6月23日(土)より公開の『世界でいちばん長い写真』で重要な役どころを演じる彼女にインタビューを敢行すると、撮影の苦悩や、役作りに対する想いについて語ってくれた。
『世界でいちばん長い写真』はタイトルの通り、パノラマカメラを使い、150mという世界で一番長い写真を撮ろうと奮闘する高校生たちのひと夏の経験を描いた青春ドラマ。松本は、高杉真宙扮する主人公・内藤宏伸(ノロブー)の同級生であり、また彼が所属する写真部の部長でもある三好奈々恵を演じている。
お互い人見知りなので最初は距離感を図ってました
「かなり気が強くて、いつもプリプリしてます」と松本が言うように、しっかり者で、宏伸に対してはきつめに当たる姉さん女房のような存在だ。そんな三好のキャラクター像について「ノロブーへの感情は、台本に書かれていなかったけど、好きなんだろうなって。彼の良いところもわかっているからこそ、きつく当たるんだろうと思って演じました」と自らの想像が役作りに大きく影響しているという。
独特の空気感を持つ2人を息ピッタリに演じている松本と高杉は実際に同い年。さぞかし仲がいいのかと思いきや…。「お互い人見知りなので、初めは互いに距離感を図ってました(笑)。高杉くんはノロブーみたいな物腰が柔らかい方なので、みんなからいじられていて、それで私も少しずつ話せるようになりました」と打ち解けるまでは少し時間がかかったそう。それでも「シーンを重ねていくうちに、自然と劇中の関係のように話せるようになりました」と、お互いのリアルな関係がスクリーンにも投影されていることを明かしてくれた。
ひたすら走るシーンに「写真部なのに~(笑)」
昨年の夏に、物語の舞台となっている知多半島で、約3週間の合宿形式で行われたという映画の撮影。暑い日が続き、水分補給をこまめにしながらの撮影だったそうだが、特に大変だったと松本が語るのが、全校生徒を映した世界一長い写真を撮るクライマックシーンだ。
カメラマンを務め写真に写ることができない宏伸のため、三好があるものを部室まで取りに、廊下や階段をひたすら走るというこの一幕。「様々なアングルから撮影したり、ドローンを使ったり、いろんなパターンで撮影して…とにかくたくさん走ったんです。しかもドローンが後ろから音をあげながら迫ってきて怖いし、たくさん走るからどんどん足は動かなくなるし、『写真部なのに~』って思いました(笑)」と撮影の過酷さを、顔をしかめながら語る。
しかし、できあがった映像について「結果として、すごくかっこいいシーンになったのでよかったです。ぜひみなさんに観てほしいシーンです」と語る彼女の顔には達成感が滲んでいた。