ハリウッドで肩身が狭いマット・デイモン、新作映画ではアメリカから追放?
マット・デイモンが新作映画『The King of Oil(原題)』に出演すると、米Deadlineが報じた。現在デイモンは本作の主役、マーク・リッチ役で製作側と出演交渉中だそうだ。
マーク・リッチは、70年代のオイルショックの際、原油取引で莫大な富を手にした、実在の商品取引トレーダー。83年に脱税やイランとの不正な石油取引の疑いで米国の検察局から起訴され、スイスに逃亡した。
その後、民主党への手回しで、当時大統領であったビル・クリントンが、任期終了数時間前にリッチに恩赦を与えるという異例な扱いを受けた。リッチは各国の麻薬や武器の取引にも関わったとされており、悪と手を組み世界の政情を揺るがした原油王として有名だ。
映画は、ダニエル・アマン著の「キングオブオイル」(邦訳はウェイツ出版)という伝記を基に、『フランキー&アリス』(10)で有名な脚本家コンビのジョー・シュラップネルとアナ・ウォーターハウスが脚本を執筆する。
また『クワイエット・プレイス』(日本9月28日公開)が今年全米で大ヒットしたジョン・クラシンスキー監督がプロデューサーとして参加することも決まっている。デイモンとクラシンスキーは以前、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(16)のプロデューサーとしてコラボレートした事がある。
『クワイエット・プレイス』の成功を期に、クラシンスキーが本作のメガホンをとる可能性もあると一部で報じられているが、まだ確実な情報ではない。
#MeTooムーブメントに対する失言や、その渦中のプロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインとの密接な関わりが理由で、最近ハリウッドで肩身が狭いマット・デイモンだが、本作でアメリカから追放されるアンチヒーローという役柄を、いまの状況を反映させてどのように演じるのかに期待したい。
LA在住/小池かおる