福士蒼汰と吉沢亮が語る「仮面ライダーフォーゼ」のころからの変わらなさ
久保帯人の人気コミックを実写映画化した『BLEACH』(7月20日公開)で、「仮面ライダーフォーゼ」以来、6年ぶりに共演を果たした福士蒼汰と吉沢亮。いまや絶大な人気を誇るトップスターとなった2人を直撃し、再共演した感想を語ってもらった。
主演の福士が演じるのは、霊が見えること以外は普通の高校生・黒崎一護。ある日、突然現れた“死神”と名乗る謎の少女・朽木ルキア(杉咲花)から死神の力を得た一護は、家族や仲間たちのために悪霊・虚<ホロウ>と死闘を繰り広げていく。吉沢は死神に対抗する“滅却師(クインシー)”の石田雨竜役を演じた。
2人は久しぶりの再共演について「全然変わってない」と互いに顔を見合う。6年の間、共演こそしていなかったが、プライベートで食事やカラオケに行くことはあったそうだ。福士が「亮くんは相変わらず人見知りで、初共演の人とは全然話さないなあと」といじると、吉沢は笑いながら「『仮面ライダー』のころから僕、人見知りでしたね」とうなずく。
吉沢は「福士くんは『ライダー』の現場にいても、同世代の中で大人っぽかったです。見た目も立ち位置的にもすっと馴染んでいるようで、少し俯瞰で見ている感じでした」と当時を振り返った。「今回も2人でお芝居をすると結構いい感じでハマるなと思い、すごくやりやすかったですし、楽しかったです」。
いまや福士は25歳に、吉沢は24歳となった。福士は、吉沢が『BLEACH』で演じた雨竜と、「仮面ライダーフォーゼ」での役柄・朔田流星とは「距離感が近かった」と感じそうだ。「雨竜も熱くてクールなキャラクターなんです。それで懐かしさも感じながら『この歯車の合わせ方でいいよね』と思いながら演じられたのがよかったです」。
吉沢も最初に『BLEACH』で福士が主演を務めると耳にした時、「仮面ライダーフォーゼ」で福士が演じた正義感が強くて熱い男・如月弦太朗を思い出したと言う。「僕にとっての福士くんは弦太朗のイメージが強かったのですが、それ以降の福士くんはわりとクールな役が多かった気がします。だから、今回の一護みたいに、熱くて真っ直ぐな役のイメージのほうが、僕的には福士くんにぴったりだと思いました」。
「図書館戦争」シリーズでも佐藤信介監督と組んだ福士。「『BLEACH』について監督は『現代劇なのに、和装している。そのミスマッチがいいんだよね』とおっしゃられていて。そういうところに目をつける監督は本当におもしろいと思います。また、日常と非日常を融合させるのがすごく自然だなと。現場で自分はイマジネーションを膨らませるのですが、監督のなかではすでにできあがった映像があり、周りのスタッフさんたちがそれを具現化しているんです。また、現場にないものは監督がiPadで『こんな感じだよ』と見せて下さったりしました」。
吉沢も、佐藤監督の演出は「的確ですごくわかりやすかったです」と称える。「CGが多い作品の現場なので、僕たちはよくわからないものと戦うシーンが多かったけど、監督が『ここはこういうやつがいて、こういうふうに動くからこうしてくれ』と具体的に教えてくださるので、すごくやりやすかったです」。
完成した映画を観た福士は、その映像のクオリティに感嘆したようだ。「アクションはもちろん、CGのシーンも多いので、その1つ1つに驚きました。また『おお!』と思ったのが挿入歌と主題歌です。[ALEXANDROS]さんの曲がすごくハマっていると思いました」。[ALEXANDROS]はエッジの利いた主題歌「Mosquito Bite」と挿入歌「MILK」を手掛けている。
吉沢は、本作のラストに最凶の虚<ホロウ>の“グランドフィッシャー”と戦うシーンにしびれたそうだ。「駅前のロケセットは広くてハンパじゃないと思っていましたが、撮影時の背景は全部グリーンバックでした。でも、できあがった映画は背景もめちゃくちゃ馴染んでいて、CGのすごさにビビりました」。
最後に、6年ぶりの共演を経て、お互いに変わったなと思った点についても聞いてみた。2人は「ヒゲが伸びるようになった」と言って笑い合ったあと、吉沢は福士について「福士くんはよりストイックになった気がします」と語った。「『仮面ライダー』のころからすごく芝居が好きという印象はありましたが、武術や英語もやったりしていて。30代からそういうことを始める人はいっぱいいると思うけど、10代、20代から先のことを考えてなにかを準備している人は、周りに福士くんくらいしかいなかったです」。
福士は「亮くんは、本当に変わらないというか、逆に言えば、変わらないでいるところが大人なのかなと思います」と述べた。「20代前半になると、中身が子どもなのに大人っぽくしようとしてギャップを埋めたがるんですが、亮くんはそうではなく、常に自然体のままなんです。それは、心が成長しているってことなんじゃないかなと」。
照れながらも互いの成長を認め合う2人。彼らが放つ渾身の一作『BLEACH』を、ぜひ大スクリーンで観てほしい。
取材・文/山崎 伸子