スピルバーグ監督『アバター』を大絶賛!「特撮が乱用されすぎ」
数々の優れたSF映画を生み出し、まさに特殊撮影の先駆者的存在のスティーブン・スピルバーグ監督が、昨今の映画の中に無意味に特撮技術が使われている現状に、苦言を呈している。
スピルバーグ監督によれば、「今は簡単に手に入る機械がたくさん出回っているので、個人的にも楽に特撮技術を使うことができるようになった。その結果、作品の中で、目的もない特撮がたくさん使われるようになってしまい、最初から最後まで特撮で終わるような映画が多数を占めるようになった」と、エンパイアー誌に特撮映画の質の低下を指摘している。
一方で、「ファンとして言わせてもらえば、特撮を使うなら、ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』のようであるべきだ。どんな作品も、まずはストーリーありき。特撮の世界というのが、シーンごとにジムや役者たちの息遣いが感じられるようなストーリー展開をサポートするためにあるんだと実感させてくれる作品だ」と、『アバター』(09)を大絶賛している。
観客のニーズもあいまって特撮技術を使った作品は増加の一途をたどっており、つい先日、映画芸術科学アカデミー協会が、2011年2月27日に開催されるアカデミー賞から、アカデミー視覚効果賞のノミネートをこれまでの3作品から5作品に増やすことを発表したばかり。昨年は『アバター』、『スター・トレック』(09)、『第9地区』(10)がノミネートされ、見事『アバター』が受賞を果たしたが、数だけではなく質の向上が求められている。【NY在住/JUNKO】
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