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養子縁組で15億円を相続した芸人が、伝説のお色気漫画「まいっちんぐマチコ先生」を映画化したワケ

インタビュー

養子縁組で15億円を相続した芸人が、伝説のお色気漫画「まいっちんぐマチコ先生」を映画化したワケ

ソフマップの仕事が結びつけたスタッフ&キャスト

スカートが翻る、まいっちんぐなシーンは、こんな感じで撮影されていた!(前田氏より提供)
スカートが翻る、まいっちんぐなシーンは、こんな感じで撮影されていた!(前田氏より提供)[c]平成30年版「まいっちんぐマチコ先生」製作委員会

製作会社は、前田がグラビアアイドルのイベント司会を務めた際の縁から見つかった。「ソフマップのイベントで知り合った製作会社が映画も手掛けていて、製作をお願いできました。主演の大澤玲美ちゃんもソフマップで一緒に仕事していて。オーディションの際トップバッターだった彼女が満場一致でマチコ先生役に決まったのも、縁だった気がします」。

主だった役を演じたお笑いコンビ“しずる”と“ライス”の面々は、前田のバイト仲間だったそう。「何度か飲んで、たまに連絡を取り合う程度でしたけど、青春コントのしずるは今回の映画にハマると思い、吉本興業さんへ赴いてギャラも予算も全部ぶっちゃけて交渉しました」。

ちなみに制作予算は300万円ほどで、あの『カメラを止めるな!』と同水準。15億円を相続した資産家としては、いささか低予算な気がするが…。「相続して6年経ちますが、相続した不動産と新たに立ち上げた飲食でそれなりの売上も立てられるようになり、いまなら低予算でも“自分で稼いだお金”で撮れる土台ができたかなと。さすがに相続したお金をそのまま使って撮るのは違う気がしましたから」。

前田自身も、あらま学園を取り壊し再開発を推し進めようとする市役所職員・松本ヒロシ役で出演
前田自身も、あらま学園を取り壊し再開発を推し進めようとする市役所職員・松本ヒロシ役で出演[c]平成30年版「まいっちんぐマチコ先生」製作委員会

15億円の資産家が、低予算映画に込めた“心意気”

「まいっちんぐマチコ先生」はこれまでも何度か実写化されている。だが、前田は「僕が考える青春映画としてリブートさせてもらいました」と語る。「マチコ先生のスカートをめくっていたいたずらトリオが成長して、母校の廃校に直面して青春を思い返すドラマです。もちろん賛否あると思います。“ならば『マチコ先生』でなくて良いのでは?”と思われるかもしれませんが、『マチコ先生』は時にバカバカしく、時に甘酸っぱい、つい美化して思い出したくなる男の子の青春の象徴だと思うんです。この映画は自分の青春を思い返し、さらに漫画の『マチコ先生』にも思いを馳せてもらえたら…そんな願いが詰まった作品です」。

同時に「『ただ自分が好きなものを撮って誰が観るの?』と客観視した時、これまでの縁で実現した映画ですから、もっと縁を結び、深めたいと思ったんです」とも話す。「玲美ちゃんや共演の華村あすかちゃん、増田有華さんなど、グラドルやアイドルの活躍を後押しできる映画にしようと。予算では大手に適いませんけど、気持ちで勝てるような映画を作れたら、心に引っかかってくれる方がいるはずだと。そう考えていたら“映画俳優になる”夢が、仲間たちと“映画を作りたい”という思いに変わっていて…。“映画を観て喜んでもらいたい”という意味では、どちらも一緒ですしね」。

『初恋スケッチ ~まいっちんぐマチコ先生~』は、9月8日(土)より渋谷HUMAXシネマで1週間限定公開
『初恋スケッチ ~まいっちんぐマチコ先生~』は、9月8日(土)より渋谷HUMAXシネマで1週間限定公開[c]平成30年版「まいっちんぐマチコ先生」製作委員会

試写の際、「えびはら先生が『ありがとう』と喜んで下さって」と前田は嬉しそうに語る。上映期間中は連日舞台挨拶に立ち、観客と共に喜びを共有したいという。“心意気ある低予算映画”をまた作りたいと願う前田と、映画館でぜひ出会ってもらいたい。

取材・文/トライワークス

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