台風24号縦断のなか好成績を獲得した“心を癒す”アニメ&時代劇とは?
日本列島を縦断し、東京都内では交通機関の運休などで映画館の興行にも多大な影響を与えた台風24号。9月29・30日の週末動員ランキングを動かしたのは、そんな台風にも負けない作品への強い愛だった。
邦画のアニメ作品としては今年3本目の1位獲得作品に
首位を獲得したのは、人気TVアニメの初の長編映画となる『劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~』。全国136館と決して上映規模は大きくなかったものの、土日2日間で動員11万7000人、興収1億7200万円をあげる好スタート。2018年に1位となった邦画のアニメ作品としては、『映画ドラえもん のび太の宝島』『名探偵コナン ゼロの執行人』に次ぐ3本目の作品となった。
その人気ぶりは、主人公・夏目貴志役の神谷浩史ら主要キャストが勢ぞろいした新宿バルト9での初日舞台挨拶のチケットが当選確率約10倍のプレミアチケットになるほどで、全国125館でライブビューイング中継も行われた。また、夏目の用心棒であるニャンコ先生の顔をかたどったポップコーンBOXが売り切れたり、原作者・緑川ゆきが描き下ろした先着特典「A4イラストメッセージカード」が配布終了となる劇場が続出。さらに週替わりの入場者特典も用意されているため、リピーターにも期待できそう。
ファンの心を掴むせつない物語
深夜アニメとしては異例のロングシリーズとなった「夏目友人帳」。ニャンコ先生や夏目の前に現れるユニークな妖たちといったキャラクターの人気ももちろんだが、本作の魅力といえば、人間と妖(あやかし)と呼ばれるいわゆる妖怪たちが繰り広げるせつないドラマ。自然豊かな熊本を舞台にした、郷愁を感じさせる物語が淡いタッチの映像で描かれ、涙を誘うのだ。
『散り椿』は泣ける時代劇
派手さよりもじんわりと心を打つ物語という点では、土日2日間で動員9万2000人、興収1億800万円を記録し、3位にランクインした岡田准一主演の時代ドラマ『散り椿』も秋にぴったりな作品。長年キャメラマンとして数々の名作に携わってきた木村大作がメガホンを握った本作に対し、“重厚な殺陣”と“美しい映像”に圧倒されたというSNSへの書き込みが多く見られた。
一方、2位の『プーと大人になった僕』も土日2日間で動員11万1000人、興収1億5500万円を記録し、累計動員が115万人、累計興収15億円を突破。7位キープの『カメラを止めるな!』も着実に数字を伸ばし、累計興収24億円を突破するなど、まだまだ勢いは止まらなそうだ。
文/トライワークス