三池監督「ゲイなら良かった?」 役所、稲垣ら豪華キャスト集結の『十三人の刺客』完成!
鬼才・三池崇史監督が63年公開の工藤栄一監督の同名時代劇を、豪華キャストを迎えて再映画化した『十三人の刺客』(9月25日公開)が完成。主演の役所広司をはじめ、山田孝之、伊勢谷友介、稲垣吾郎、伊原剛志、松方弘樹、市村正親、沢村一樹、古田新太、六角精児、波岡一喜、石垣佑磨、近藤公園、窪田正孝という14名のキャストが、三池監督と共に記者会見に臨んだ。会見では男だらけで製作された本作のチームワークの良さを感じさせるトークを繰り広げた。
将軍・家慶の弟で明石藩主・松平斉韶(稲垣吾郎)の暴君ぶりが、国の存亡に関わると判断した老中・土井(平幹二朗)は、斉韶暗殺を決意。御目付役・島田新左衛門(役所広司)に斉韶暗殺の命を下す。密令を与えられた新左衛門を頭に、13名の男たちが300人の敵勢力に戦いを挑む。
役所が「何かのために命懸けで戦う男たちの絆を感じてほしい」と話す、ドラマチックなストーリー展開はもちろん、要塞化していく決戦の場などが壮大なスケールで描かれ、見どころ満載の時代劇エンターテインメントに仕上がった本作。刺客を演じた豪華キャストも魅力だ。三池監督は「男ばかりですみませんという感じですが、みんな魅力的な男たちばかり。(自分を)お父さん、お母さんがゲイに生んでくれたら、どれだけ幸せだろうと思います」とコメントし、キャストや記者たちを笑わせた。
劇中、最凶の暴君・松平斉韶を演じた稲垣の熱演に驚かされる。役所は「撮影中は稲垣吾郎ちゃんをみんなで憎んでいました(笑)」と話し、三池監督も「SMAPの見方が変わるはず」と絶賛するほどだ。
演じた稲垣は、「意外とさらりとできました。もしかしたら自分の中にもそういう一面があるのかなと思ったほど。確かに極悪非道な男なんですが、決められた人生の中でコンプレックスを抱えた可哀想な人間で、時代の被害者なのかもしれない。役柄に深みを出せればいいなと思って演じました」とコメント。その演技には是非とも注目してもらいたい。
会見の最後には、監督から「(この映画は観る人の)トラウマになればいい」と、三池節も飛び出した。「幼稚園のお子さんが、おじいちゃんやおばあちゃんと観て、トラウマになればいい。観る人の中に13人の姿を刻むことができればいいなと思います」と語った。様々な刺激と興奮に満ちあふれた『十三人の刺客』、これはもう劇場で堪能するしかない。【取材・文/鈴木菜保美】