あの一大イベントの真裏に開催をぶつける“アグレッシブな映画祭”にその理由を聞いてみた

コラム

あの一大イベントの真裏に開催をぶつける“アグレッシブな映画祭”にその理由を聞いてみた

10月後半に入り、秋の一大映画イベントである東京国際映画祭も開幕。連日六本木、日比谷界隈がにぎわうなか、会期が重なる形でひと味違った映画祭が開催されていることをご存知だろうか。それぞれ小田急線の主要駅を拠点とする、下北沢映画祭とKAWASAKIしんゆり映画祭だ。全国的にも様々な映画祭が年中実施されるなか、映画関係者が都心に集まるこの時期に開催日程を被せる何か特別な意図があるのだろうか?

下北カルチャーが炸裂!サブカル好きに寄り添った下北沢映画祭

まずはそれぞれの映画祭を紹介しよう。今年第10回という節目の年を迎えた下北沢映画祭は、10月26日より開催中。音楽や演劇、ファッションなど、様々なカルチャーが集積する下北沢が拠点とあって、目玉であるコンペティションでも実写、アニメ、ドキュメンタリー、プロモーションビデオなど、ジャンルを問わず広く映像作品を募って審査を行う。今年は女優の小川沙良がメガホンをとった『最期の星』や、国籍に揺れるハーフの女子高生が主人公の『チョンティチャ』、住宅地で張り込み中の刑事たちの会話劇を描いた『はりこみ』など、全10作品を上映し、ゲスト審査員の大九明子監督らによりグランプリが選ばれる。

幅広いジャンルから個性豊かな作品が下北沢映画祭に集結!
幅広いジャンルから個性豊かな作品が下北沢映画祭に集結!

またコンペ以外にも、イベント付きの上映が充実。今年の「演劇×映画の可能性」特集では、劇団ゴジゲンの主催兼映画監督の松居大悟が、完全オリジナルで監督・脚本を手掛けた『君が君で君だ』(18)と、下北沢を舞台に74分ワンカットで撮影した『アイスと雨音』(17)のメイキングドキュメンタリー『ファーストキス』を2本立てで上映。演劇界と映画界を股にかけて活躍する松居をゲストに迎えた、まさに下北沢ならではのアツい企画となっている。

坂本龍馬、尾崎豊、ブラッド・ピットになりきり生きる男たちを描いた『君が君で君だ』(18)
坂本龍馬、尾崎豊、ブラッド・ピットになりきり生きる男たちを描いた『君が君で君だ』(18)[c]『君が君で君だ』製作委員会
演劇?映画?不思議な世界観が話題となった『アイスと雨音』(17)の舞台裏に迫った『ファーストキス』を下北沢映画祭で上映
演劇?映画?不思議な世界観が話題となった『アイスと雨音』(17)の舞台裏に迫った『ファーストキス』を下北沢映画祭で上映[c]『アイスと雨音』製作委員会
■第10回下北沢映画祭
開催:10月26日(金)~28日(日)
北沢タウンホール、下北沢トリウッド、下北沢ReG
https://shimokitafilm.com/

■第24回KAWASAKIしんゆり映画祭
開催:10月28日(日)~11月4日(日) ※29日(月)は休映日
川崎市アートセンター
http://www.main.siff.jp/

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