映画ファンこそ楽しめる!オープンワールド西部劇アクション『レッド・デッド・リデンプション2』に描かれた無頼の美学
また、数々の歴史的な西部劇映画の名シーンを彷彿させる場面、場所、シチュエーションも多く、ゲームファンだけでなく映画ファンにも訴求力の高い作品であることも重要だ。
例えばゲームには、雪中の逃避行を巡る場面が登場するが、これはまさにタランティーノの『ヘイトフル・エイト』(15)を連想させるし、そこでの激しい銃撃戦はマカロニ・ウエスタンの古典にして異色作『殺しが静かにやって来る』(68)の場面が再現されたかのような迫力だ。
前作がリリースされた8年前に、筆者がロックスター・ゲームスのクリエィティブ部門を統括するダン・ハウザー氏にインタビューした際に、ダン氏は西部劇に大きな影響を与えた黒澤明の映画作品について言及していたのが、非常に印象的だった。『用心棒』(61)が『荒野の用心棒』(64)として、『七人の侍』(54)が『荒野の七人』(60)としてリメイクされたのは有名だが、その影響はゲームにも及んでいたのだ。
『RDR2』のシナリオはそれだけ濃く深く作り込まれている。ゲームをプレイする際にはシナリオにも是非注目してほしい。
また、登場する銃器やファッションにも注目だ。銃は連続で使用すると劣化するため、こまめに手入れしたり、カスタムパーツを購入して自分だけの銃にデザインできたりする。
また、服装は下着からベスト、ジーンズからレザーパンツ、ジャケットも寒冷地用コート(寒い場所に薄着で出向くと体力に影響がある)からオシャレなスーツ、ワイルドな革ジャンなどなど、プレイヤーはアーサーの着せ替えを自由に楽しめるので、好みの主人公を作りあげられる。髪型やヒゲも調整できるが、一度散髪するとまた伸びるまで再調整できないというリアルさ!そのディティールには驚くばかりだ。
何もかもが自由に過ごせる『RDR2』の世界では、賞金稼ぎ、借金取り立て、美人局、強盗、空き巣、恐喝など、あらゆる合法から非合法まで含め膨大な仕事を請け負うことができる。
ギャングの仲間たちと酒場で親交を深めて、大掛かりな銀行強盗もやってのけられるし、何もしないで町でブラブラしていてもいい。ソロキャンプの旅に出て伝説の手負い熊を追いかけるのもアリだろう。
素晴らしい冒険の旅と運命を握るのは、プレイヤー自身である。
この素晴らしきゲームの世界において、西部の男の意地と誇りを体感してほしいと願う次第である。
文/植地 毅
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スタンダード・エディション
【PlayStation[r]4】
パッケージ版:8800円(+税)
ダウンロード版:7963円(+税)
【Xbox One】
ダウンロード版:7980円(+税)
ジャンル:アクション
レーティング:CERO Z:18歳以上のみ対象
発売元:ロックスター・ゲームス
開発:ロックスター・ゲームス
プラットフォーム:PlayStation[r]4、Xbox One