役所広司「自分の顔は好きじゃない」役者生活40周年、初の大規模特集に感謝と不安
10月25日に第31回東京国際映画祭が開幕。EXシアター六本木でオープニングセレモニーが行われ、Japan Now部門で特集上映が行われる俳優の役所広司が出席。俳優人生における5本の作品が上映される役所だが、自分の作品は見返さないそうで、その理由として「あんまり自分の顔が好きじゃない。老後の楽しみにとっておこうと思って」と告白して会場を笑わせた。
Japan Now部門は、現在の日本を代表する作品の数々を、映画祭独自の視点でセレクションするもの。今年は‟日本の今”を代表する俳優として役所が選出され、「映画俳優 役所広司」として特集上映を実施。東京国際映画祭最優秀男優賞受賞作『CURE』(97)、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞作『Shall we ダンス?』(96)、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『うなぎ』(96)など、国内外を問わず評価を受けている役所の昭和の時代の作品から最新作までを紹介する、初の大規模上映となる。
役所は「心から感謝」と特集上映の実施に喜びを噛みしめ、「僕の5本の映画が上映される。人間、役者の肌などが劣化していく使用前、使用後を楽しんでいただければ」と自虐コメントをお見舞い。今年は役者生活40周年を迎えたが「関わったスタッフ、キャストと懐かしみながら、こうやって上映できることに心から感謝したい。すばらしい監督たちの作品ばかり。楽しんでいただけると確信している」としつつも、「うれしいのと不安なのは、お客さんがたくさん来てくれるか。不安でいっぱい」と苦笑いしながら、素直な気持ちを吐露していた。
特集上映の際にはトークショーも予定されている。役所は「裏話もあるし、時効になった話もある。どうぞ楽しみにしてください」と準備万端の様子で、「『Shall we ダンス?』では、クランクイン の3か月前からダンス教室に通った。踊ることは恥ずかしかったですね」と早くも裏話を明かすひと幕もあった。
またセレモニーには、第31回東京国際映画祭のアンバサダーを務める松岡茉優、オープニング作品『アリー/ スター誕生』のスペシャルゲストである寺島しのぶ、コンペティション部門『ホワイト・クロウ』(原題)の監督を務めたレイフ・ファインズ、コンペティション部門国際審査委員のブリランテ・メンドーサ、ブライアン・バーク、タラネ・アリドゥスティ、スタンリー・クワン、南果歩も出席した。
取材・文/成田 おり枝