「ドロ刑」の中島健人から小学生まで…遠藤憲一の“バディ作品”が熱い!
渋い声に強面の容貌、コメディからシリアスまで硬軟自在に演じ分ける実力派として、第一線で活躍する遠藤憲一。そんな彼がこの秋、ドラマや映画で様々な“バディ”を演じ、その魅力を十二分に発揮している。
中島健人、小栗旬、仲里依紗…相棒ごとに異なる表情を見せる
日テレ系の刑事ドラマ「ドロ刑 -警視庁捜査三課-」(放送中)では、正体不明な伝説の大泥棒・煙鴉(けむりがらす)をひょうひょうと好演している遠藤。中島健人(Sexy Zone)扮する新米刑事に泥棒の思考や手口をアドバイスする、少し奇妙なバディ関係が特徴だ。また、遠藤主演のWOWOWのバラエティ・ドラマ「遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます」(12日より放送スタート)では、宮藤官九郎の脚本のもと、同じ物語の同じ役を違う俳優が演じたらどう変わるのか?という課題に挑戦。小栗旬や仲里依紗といったゲストを迎え、毎話ごとに違う相棒と組む刑事を熱演する。
少女との優しい掛け合いとハードな面のギャップが魅力!
コメディ色の強い上記2作品とは打って変わり、ハードボイルドな遠藤を堪能できるバディ作品が『アウト&アウト』(11月16日公開)だ。本作は、「BE-BOP-HIGHSCHOOL」の作者として知られるきうちかずひろが、自身の同名小説を映画化したクライムムービーで、遠藤は小学2年生の少女とパートナーを組む元ヤクザの私立探偵・矢能を演じている。日本最大の暴力団に在籍していた矢能は、足を洗い、訳ありで預かることになった小2の栞と2人で探偵事務所を営んでいた。そんな矢能の元に“取引”の現場に立ち会ってほしいとの依頼が舞い込む。しかし、この依頼から矢能は不可解な事件に巻き込まれていき…。
元ヤクザの探偵と小学生の少女という前代未聞の異色バディを描く本作。敬語の栞と、無愛想だが優しい矢能の掛け合いは、思わずクスリとさせられるオフビートなユーモアがたっぷりで、血が繋がらないながらも、強い絆で結ばれた2人の関係を丁寧に描くストーリーには感動すること間違いなし。一方で、バイオレンスシーンには、叙情性を排したリアルで乾いた暴力描写が満載となっている。
様々な“名バディ”ぶりで観る者を魅了する遠藤憲一。それぞれの作品を観比べて、その巧みな演じ分けを堪能してみては?
文/トライワークス