“世界一ヤバい刑務所”の実態とは…多数の元囚人をキャスティングした映画がリアルすぎ!
テレビ番組「クレイジージャーニー」などの影響により、世界の危険なスポットへの注目度が高くなっている今日この頃。そんな怖いもの見たさをさらに刺激してくれるような、“地獄”と呼ばれる刑務所を題材とした映画『暁に祈れ』が12月8日(土)より公開される。
タイのチェンマイ中央刑務所とバンコク・クロンプレム中央刑務所に服役した経験を持つイギリス人ボクサー、ビリー・ムーアの自伝を映画化した本作。タイで闇ボクシングとドラッグに明け暮れる生活を送り、麻薬の保持で逮捕されてしまったビリーが、刑務所での過酷な日々を生き延びていく姿が描かれる。
まず最初に怖気づいてしまうのが、受刑者たちの姿だ。入獄早々に、喧嘩沙汰を起こしたビリーは、最も凶悪な囚人が大勢集う房に移されてしまうのだが、そこにいるのは、体だけでなく顔にまでびっしりと刺青が入った強面ばかり。彼らと面と向かったビリーが萎縮してしまうほどの貫禄をまとっている彼らだが、それもそのはず。部屋のリーダーを演じているのは、強盗の罪で過去8年間の服役経験を持つ元ギャングのパンヤ・イムアンパイ。また彼だけでなく囚人役の多くに、元囚人をキャスティングしており、“ホンモノ”な雰囲気がムンムンと漂っているのだ。
また、ホンモノ感漂うのは囚人だけでなく刑務所も。実はセットでなく、撮影のつい1年ほど前まで実際に使われていた元刑務所を使用しており、壁の傷や鉄柵のサビなどはリアルなもの。薄汚れた部屋に、大勢の何十人という囚人が詰め込まれている状況だけで、絶望を覚えてしまうほどだ。
そんな刑務所での日々は過酷極まりなく、レイプや賭博によるいざこざは日常茶飯事。被害者が翌日に首を吊っていようとも囚人も看守も平然とした様子。時には殺人も起こり、刑務所内とは思えないほど荒れ放題なのだ。さらにドラッグも蔓延しており、看守が囚人を麻薬で釣り、商売敵をぶちのめさせるといったような汚職も横行。実話ベースのフィクションではあるが、人間性を剥奪するかのようなあまりにショッキングな状況には、ゾッとしてしまう。
地獄としか思えないような極限の状況が、確かなリアリティと共に描かれる本作。どこまでが本当かはわからないとはいえ、衝撃度はマックスなので、鑑賞の際は心してかかるのが身のためだ!
文/トライワークス