『ラ・ラ・ランド』の名コンビが明かす、最新作『ファースト・マン』に込めた想いとは?
興行収入44.2億円の大ヒットを記録した『ラ・ラ・ランド』(16)で、史上最年少でアカデミー賞監督賞に輝いたデイミアン・チャゼル監督と、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞<ミュージカル/コメディ部門>を受賞したライアン・ゴズリングが再びタッグを組んだ『ファースト・マン』が2月8日(金)から公開される。昨年末にそろって来日を果たした2人に、偉人ニール・アームストロングを描くというチャレンジに込めた想いを聞いた。
本作は1969年に人類初の月面着陸を果たしたアポロ11号の船長ニール・アームストロングを軸に、過酷すぎる訓練の実態やそれを乗り越えた飛行士たちの絆と道なかばで散った仲間の命、そして地上で無事を祈り待ち続ける家族の葛藤を描きだした物語。2月24日(日本時間25日)に授賞式を控えた第91回アカデミー賞では、技術部門を中心に4部門で候補入りを果たしている。
「もともと宇宙に強い思い入れもなかったし、ニール・アームストロングについてもアポロ計画についてもよく知らなかった」とチャゼル監督は明かし、自身の出世作となった『セッション』(14)の直後に本作の監督オファーが来た際に、引き受けるかどうか躊躇していたという。「でも原作となったジェイムズ・R・ハンセンの著書を読んでいたら、突然映画のイメージが湧いてきた。無謀な挑戦だった月面着陸という重荷をたった一人で背負って、大きな一歩を踏み出したニール。その勇気に、僕は非常に感銘を受けたんだ」。
そしてチャゼル監督は、本作を客観的な伝記映画としてではなく“ニール・アームストロングの視点”から描きだすという選択をする。「ニールという人物は世界的に有名な人物でありながら、その素顔があまり知られていない。謎に包まれているからこそ魅力を感じたし、観客は彼に自分自身の姿を重ねることができる」とその理由を語り、「リサーチを重ねていくと、性格も謙虚で物静かだったことがわかった。この役を演じられるのはライアンしかいないと思ったんだ」と振り返る。